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*
「わっ、ちょ、ズボン引っ張るなって！」
「じゃあ帰ろうとしないで！座って！」
「いや、帰らないけど！俺が目の前にいたら集中できないんじゃないか？」
「いない方ができないの！っあ、」
ガタガタと騒がしいやり取りをしたせいか、消しゴムが机から転がり落ちた。
白い塊はコロコロと床をゆき、縁下の足元へ。
「力、そっち行っちゃった、取って〜」
「...却下」
「え、なんでよ」
「だれかさんが座って！ってしつこく頼んだので、しばらくは立ちません」
「うわ、ひねくれ者。座ってても取れるじゃんか」
「俺は今 読書で忙しいの」
「...いいもん、自分でとるし...、っわ？！」
仕方なく立ち上がって縁下のそばへ行くと、消しゴムを拾おうと伸ばした手をぐいっ、と引かれ、彼の胸に顔がうずまる形になる。
「なっ...！！」
「...『近づきたい、触りたい』んでしょ？」
「いやまぁ、言ったけど！急には、びっくりする、じゃん...」
「ははっ、A、顔真っ赤っかだべ」
「ち、力も耳真っ赤っかだし！おあいこ、っん...？！」
ぎゅうっ、とさらに強く抱きしめられる。
いつぶりか分からない、大好きな彼の身体の感触。
「ごめん...本当は、俺がくっつきたかっただけ。
久々に2人で居れてるんだし、ちょっと充電させて」
「...ふふっ、どうぞどうぞ」
大好きなひとの腕に、においに包まれる、久々すぎるこの感じ。
普段の友達のようなやり取りも好きだが、やっぱりこうして過ごす時間がいちばん好きだ。
とくん、とくん、と音が聞こえる。
この音も、全部全部、大好き。
「えへへ、幸せ...力、だいすき」
「...ちょっ、反則技やめて」
「え？」
静かだった力の音が、どくん、と大きくなったのがわかる。
そして大きくなった鼓動はどんどん速くなっていく。
「ふふ、縁下くん、さては照れていますね？」
「...心拍数で把握するのやめてくれる？俺が照れて悪いか」
「ううん、嬉しいし、ちょっとかわいい！」
「か、かわいいって...はァ…」
スっと身体を離され、心地よい音と暖かさが遠ざかる。
自身に残る余韻に、少しの寂しさを感じた。
「え、もうおしまい？」
「一旦ね。まだ問題残ってるだろ、さっさと終わらせて帰ろう」
「ん...終わったら、ご褒美でまたぎゅってしてね」
「ッ...！わ、かったよ...ほれ、消しゴム」
「やった！お、ありがとう〜」
席につき、再び問題を解き進めた。
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作者(プロフ) - 花さん» ありがとうございます。忘れ雪シリーズ中心で書いていこうと思うので、更新遅くはなってしまいますが書かせていただきます！待っててくださると嬉しいです。 (2021年5月22日 13時) (
レス) id: ed687f0afb (このIDを非表示/違反報告)
花 - リクエストよろしいでしょうか?→影山君で股ドンお願いします! (2021年5月22日 11時) (レス) id: 5a0f0dfb22 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 花さん» コメントありがとうございます。嬉しいです(;_;)励みになります！ (2021年5月4日 10時) (レス) id: ed687f0afb (このIDを非表示/違反報告)
花 - とっても好みでした!体調を崩さないように気をつけてくださいね! (2021年5月3日 18時) (レス) id: 5a0f0dfb22 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - クマさん» お気遣いいただきありがとうございます...(;_;) のろのろになりますが、見守ってくださると嬉しいです。コメントありがとうございました(;_;) (2021年4月18日 15時) (レス) id: ed687f0afb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：作者 | 作成日時：2021年1月15日 22時
