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こんなに近くで向かい合うのも、こんなにお互いの身体が触れ合うのも初めてで。
思わず下を向きたくなるが、どこか熱いものを含んだ彼の瞳から目をそらすことができない。
「蛍っ、ち、近い!」
「言っとくけど、誘ったキミが悪い」
「え、家に誘っちゃ、いけない理由でもあった...?」
「...はァ...煽った、って言えばわかる?」
「...煽っ...、っえ、ごめん、喧嘩売ったつもりじゃ、」
「いや、そうじゃなくて。あぁ、もう...これでもけっこうギリギリなんだけど」
蛍の眉間のしわは深くなる一方。
どこかで地雷をふんでしまったのかと焦るが、考えても分からない。
蛍の機嫌損ねるようなこと、いつ言ったっけ...?
「...ごめん、考えてもわかんない。
から、言ってほしいな。私に対して我慢とか、しなくていいから...」
そっ、と彼の顔を伺うと、目を見開いて顔を真っ赤にしている蛍。
「蛍、顔まっか、」
「ッ、キミって本当に...ッ!!もう、知らないから」
「え?っ、きゃ...っ?!!け、蛍?!」
突然強く抱きしめられたかと思えば、ふわっと身体が宙に浮いた。
いわゆるお姫様抱っこで運ばれた先は、私のベッドの上。
少し荒々しく、でもとても丁寧に身体が降ろされる。
なんでベッドに...なんて考える余裕も与えてはくれないようで、そのまま蛍の身体が私の上に覆いかぶさった。
「ちょっ、なになになにこれ」
「まだわかんないの?恋人がベッドの上、することなんてひとつしかないデショ」
「へっ...、えっ、あ、うそ、性、欲...?」
「...言ったよね、僕だって男だって。今まで必死に耐えてたけど...誘ったのは、そっちだから」
「誘ったってそういう...?!待っ、そんなつもりじゃ、っあ...?!」
いきなりすぎる展開が恥ずかしすぎて抵抗するものの、いとも簡単に組み伏せられてしまって動けない。
「けっ蛍...っ、ひぁっ...?!」
耳にふっ、と息を吹きかけられ声が漏れる。
自分からこんな声が出るなんて、知らない。
「蛍っ、待ってって...ん、ぅ...」
「ッ...はァ...初めて聴いた、そんな甘い声」
「〜〜〜っ!!」
口付けが耳、額、まぶた、頬、そしてうなじへと、次々に落とされていく。
その度に小さく跳ねるように反応してしまう自分の身体が、なんだかひどくいやらしく思える。
「なんっ、ぁ、なんで急にっ、」
今までそんな素振り、全く見せなかったのに。
「全然急じゃない」
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作者(プロフ) - 花さん» ありがとうございます。忘れ雪シリーズ中心で書いていこうと思うので、更新遅くはなってしまいますが書かせていただきます!待っててくださると嬉しいです。 (2021年5月22日 13時) (レス) id: ed687f0afb (このIDを非表示/違反報告)
花 - リクエストよろしいでしょうか?→影山君で股ドンお願いします! (2021年5月22日 11時) (レス) id: 5a0f0dfb22 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 花さん» コメントありがとうございます。嬉しいです(;_;)励みになります! (2021年5月4日 10時) (レス) id: ed687f0afb (このIDを非表示/違反報告)
花 - とっても好みでした!体調を崩さないように気をつけてくださいね! (2021年5月3日 18時) (レス) id: 5a0f0dfb22 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - クマさん» お気遣いいただきありがとうございます...(;_;) のろのろになりますが、見守ってくださると嬉しいです。コメントありがとうございました(;_;) (2021年4月18日 15時) (レス) id: ed687f0afb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:作者 | 作成日時:2021年1月15日 22時