＊ ページ16
*
ずっと、欲しかった言葉。
「ひとりの女の子として、Aのことが好きや」
ずっと、君の口から聞きたくて、恋焦がれていた言葉。
「俺と、恋人になって...って、なんでまた泣いとんねん...」
「だ、だって...！」
涙でくしゃくしゃの私の顔を見て、困ったように笑う大耳くん。
その顔はほんのりと赤くなっていて。
「...あ、さっき言ってた嫌だったって、」
「おん、付き合うてほしいて言おうとしたら泣いてんねやもん、ビビったわ」
「ご、ごめん...っ」
笑いながら、私の涙をすっと拭ってくれる。
好きな人と想いが通じ合うことが、こんなにも嬉しいなんて。
「...わ、私も、大耳くんが好き...！こんな私で、よければっ、」
『ちょぉ、えらい音したけどどないした〜』
「「...！！」」
司書さんの声と足音が聞こえて、咄嗟にその場から飛び退いた。
『あらら、脚立倒れてもうてるやん。怪我ないか？』
「あっ、だだ大丈夫です！」
「...大丈夫です、すんません」
ほうか、気いつけや、と司書さんが去り、再び大耳くんと2人きりになる。
最初とはまた違う、少し気恥しいこの雰囲気...なんか、気まずい。
「...片付けるか」
「そ、そうだね...」
恥ずかしさを払拭するように黙々と作業をすすめ、30分ほどでなんとか終わらせることができた。
「あ、鍵と日誌、私やるよ。大耳くん部活あるでしょ？」
「ん、すまんな...あ、A、」
「ん...、ぅひゃ...っ？！」
日誌を開こうとしたところ、大耳くんに強く抱きしめられた。
「はは、どんな声出しとんの」
「だっ、おっ、大耳くんが急に...！」
「ふっ、すまんて。...さっきA、こんな私でよければて言うとったけど、ちゃうで」
「へっ...？」
「俺はAがええ。Aやないとあかんねん」
私を包んでいた熱が離れ、大耳くんと目が合う。
「ふふっ...大耳くん、顔まっかだ」
「...おあいこさんやろ。ほな、そろそろいくわ」
「あっ、うん...またね、大耳くん！」
離れていく背中がすでに恋しく感じる。
ゆっくりと振り返る彼は少し考えるような仕草をして、口を開いた。
「また明日な、A」
「っ！！」
そしてあっという間に見えなくなった彼の姿。
「...練、くん」
君と私の距離、約50cm。
── それは、物理的距離、の話。
*
*
思てたより長くなりました
大耳さんは純愛なイメージ...
リクエストありがとうございました
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作者(プロフ) - 花さん» ありがとうございます。忘れ雪シリーズ中心で書いていこうと思うので、更新遅くはなってしまいますが書かせていただきます！待っててくださると嬉しいです。 (2021年5月22日 13時) (
レス) id: ed687f0afb (このIDを非表示/違反報告)
花 - リクエストよろしいでしょうか?→影山君で股ドンお願いします! (2021年5月22日 11時) (レス) id: 5a0f0dfb22 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 花さん» コメントありがとうございます。嬉しいです(;_;)励みになります！ (2021年5月4日 10時) (レス) id: ed687f0afb (このIDを非表示/違反報告)
花 - とっても好みでした!体調を崩さないように気をつけてくださいね! (2021年5月3日 18時) (レス) id: 5a0f0dfb22 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - クマさん» お気遣いいただきありがとうございます...(;_;) のろのろになりますが、見守ってくださると嬉しいです。コメントありがとうございました(;_;) (2021年4月18日 15時) (レス) id: ed687f0afb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：作者 | 作成日時：2021年1月15日 22時
