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*


「ぅわわっ?!!」

「おいA...ッ!!」



ガタガタンッ、と大きな音を立てて脚立が倒れ、私の身体は床に叩きつけられ ──



...ることはなかった。



「え、」

「ッ...怪我ないか、A」



目の前に、大好きな人の顔。

落ちるところだった私を、大耳くんが受け止めてくれたのだ。



「ご、ごめん、すぐどく、っあ...?!」



すぐに彼の上から退こうとしたが、大耳くんの腕でガッチリとホールドされていて身動きが取れない。



「あああの、大耳く、」

「...昨年のIH予選」

「へ、」

「試合、見に来てくれたやろ。最初はAも双子目当てなんかと思たけど、信介から、毎回俺を探しとるて聞いて...嬉しかってん」

「北くんが...?って、えっなんで、」



なんで、私があの大会を見に行ったこと、大耳くんが知ってるの?

そんな私の思考を見透かしたかのように答える。




「俺は、Aが俺を見つける前から、Aのこと知っとった」




そう言って、優しく笑う大耳くん。



「い、いつから...?」

「1年ん時。俺、そん時も図書委員やっとってん。
奥の窓際、カウンターからよう見えるんや」

「...!」


図書室の奥、窓際の席。

そこは、1年生の頃からの私の特等席だった。

帰宅部の私は、ほとんど毎日の放課後を図書室で過ごしていたのだが、まさかそれを見られていたとは。



「Aな、座っとる時も立っとる時も、むっちゃ背筋綺麗やねんで。それがえらい印象的でな」

「は、初めて言われた...、あれ、これって褒められてる...?」



褒めてんで、と笑う彼に、胸の奥がぎゅうっとなる。



「応援来てくれて、時々差し入れもくれとったやろ。せやけどしつこいわけやなくて、近からず遠からずっちゅうか。
人との距離をちゃんとしとる子なんやなって思った。実際話してみても面白かったしな」

「あ、ありがとう...?」



「Aが来てくれとる時は、なんやええプレーができた。
...気づいたら、姿を探すようになって、目で追うようになっとった」


「え、」




「Aとおると、心地がええ。
会うだけで嬉しなるし、話しかけてくれるだけで、心臓がなんやグッてなんねん。

...これが、好きっちゅうことやと気づいたんは、先週やねんけどな」



「へ、あ、あの、わっ...?!」






ぎゅっ、と抱きしめられ、大耳くんの頭が私の肩にうずまる形になる。

耳から、首から、大耳くんの体温が伝わってくる。









「好きや、A」



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設定タグ:ハイキュー , HQ , 短編集   
作品ジャンル:恋愛
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作者(プロフ) - 花さん» ありがとうございます。忘れ雪シリーズ中心で書いていこうと思うので、更新遅くはなってしまいますが書かせていただきます!待っててくださると嬉しいです。 (2021年5月22日 13時) (レス) id: ed687f0afb (このIDを非表示/違反報告)
- リクエストよろしいでしょうか?→影山君で股ドンお願いします! (2021年5月22日 11時) (レス) id: 5a0f0dfb22 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 花さん» コメントありがとうございます。嬉しいです(;_;)励みになります! (2021年5月4日 10時) (レス) id: ed687f0afb (このIDを非表示/違反報告)
- とっても好みでした!体調を崩さないように気をつけてくださいね! (2021年5月3日 18時) (レス) id: 5a0f0dfb22 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - クマさん» お気遣いいただきありがとうございます...(;_;) のろのろになりますが、見守ってくださると嬉しいです。コメントありがとうございました(;_;) (2021年4月18日 15時) (レス) id: ed687f0afb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:作者 | 作成日時:2021年1月15日 22時

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