＊ ページ14
*
「え...」
キッ、と大耳くんをみると、なんでかほんのり顔が赤い。
特徴的な切れ長の目が大きく見開かれて、戸惑うように揺れている。
なんで、そんな顔するの...ショックなのはこっちだよ。
「わ、私だって、一応、女だし...！意識...してもらいたくてっ、ずっと...！
な、なのに、小学生と同じって...嫌に決まってる、じゃん！！」
「...え？」
あぁ、だめだ。
涙も、ずっと抑えてた想いも、溢れて溢れてとまらない。
「同じっ、クラスだからって、同じ委員会になれたから、って...私ばっかり、ひとりで浮かれてっ、勝手に、舞い上がって...！本当に、馬鹿みたい...っ」
「ちょ、A、」
「なにっ...！もう、なんでっ、こんなこと言わなきゃいけないの...！もう、やだ...」
「A、落ちつき...俺の話、最後まで聞いとったか？」
「...へ？」
とりあえず泣くのやめ、と私の頬に伝った雫を指で拭う。
触れられた所が熱を帯びて、それが全身へじわじわと広がっていく。
「お、大耳く、」
「俺は、Aを小学生と同じやとは思ってへんよ。
ちゃんと、俺と同じ18の、ひとりの女の子として見とる」
「は...へ、え？」
大きな手で、私の頬を優しく包みながら話す大耳くんから、目が離せない。
心臓が、ばくばくうるさい。
「...その反応やと、やっぱ聞いとらんかったんやな。
いきなり泣いてまうからそんな嫌なんかと焦ったわ」
「あっ、ご、ごめん...！えと、嫌って何が...？」
「...あとでもっかい、ちゃんと言うな。とりあえず終わらせんで」
「う、うん...」
促され、脚立をがたがたと設置しながら、はた、と気がつく。
...私、さっき遠回しに告白しちゃった？
いや、でも大耳くんはそんな変わった感じしないし、気づかれて...ない...？
横目でちらっ、と大耳くんを見ても、なんら変わりなくテキパキと作業をしている。
...とりあえずは、セーフかな。
「あ、」
「ん？どないした？」
脚立に昇ってみて、気づいたことがひとつ。
「ふふっ...、こうすると、大耳くんと同じ目線だなって思って」
「ッ！！...おま、あんまそういう...！」
「え？」
「ッ、いや、なんもないわ...気にせんとって」
そう言ってそっぽを向いてしまった大耳くん。
なにか気に障ることでも言ってしまったのかと少し不安になって、彼に近づこうとした。
「大耳く...」
── 自分が今、脚立にのっていることすら忘れて。
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作者(プロフ) - 花さん» ありがとうございます。忘れ雪シリーズ中心で書いていこうと思うので、更新遅くはなってしまいますが書かせていただきます！待っててくださると嬉しいです。 (2021年5月22日 13時) (
レス) id: ed687f0afb (このIDを非表示/違反報告)
花 - リクエストよろしいでしょうか?→影山君で股ドンお願いします! (2021年5月22日 11時) (レス) id: 5a0f0dfb22 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 花さん» コメントありがとうございます。嬉しいです(;_;)励みになります！ (2021年5月4日 10時) (レス) id: ed687f0afb (このIDを非表示/違反報告)
花 - とっても好みでした!体調を崩さないように気をつけてくださいね! (2021年5月3日 18時) (レス) id: 5a0f0dfb22 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - クマさん» お気遣いいただきありがとうございます...(;_;) のろのろになりますが、見守ってくださると嬉しいです。コメントありがとうございました(;_;) (2021年4月18日 15時) (レス) id: ed687f0afb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：作者 | 作成日時：2021年1月15日 22時
