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そして、週の真ん中の日。
いつもだったら、心のなかお祭りみたいに嬉しい日、なんだけど。
「...」
「...」
沈黙。
ひたすらに沈黙。
私のせいみたいなものだけど、めちゃめちゃに気まづい...!
しかも今日は先週より量が多いし、高いところにしまうものがほとんどなのか、ご丁寧に脚立まで用意されていた。
...これは、時間かかるやつだ...。
「...なぁ、A」
「ひゃいっ??!!!」
突然話しかけられて、とんでもなく変な声が出たと同時に、驚いた拍子で持っていた本がバラバラと音を立てて落ちた。
何しとんねん、と少しぎこちないように笑って、それらを拾ってくれる大耳くん。
「...先週は、すまんかった。女の子にアレは、失礼やったよな」
「え...あ、いや、ちょっとびっくりしただけだから!
...私の方こそ、ずっと逃げちゃってて、ごめん」
「いや...」
再び沈黙が訪れる。
気まづいのは変わらないが、ずっと止まっていても仕方がない...
そう考えて作業を再開したが、大耳くんはまだ突っ立ったままだった。
「...俺、いとことけっこう歳離れててん」
「...うん?」
いきなり何を話し出したのか、全くわかっていない私をちろっ、と見て、そのまま話し続ける。
「小学4年くらいやねんけど、ちょうどAと同じくらいの背でな...その歳でも高くしてやると、むっちゃ楽しそうにすんねん」
「は、はぁ...」
「それとなんや同じ感覚であんなことしてもうたけど、全然ちゃうねんなって、後から思ってん」
「...。」
「...Aも女の子やなって、忘れてたわけやないんやけど、再確認したっちゅうか ── 」
── 大耳くんの声が右耳から左耳へとすり抜けていく。
喋っているのは聞こえるけど、頭に入ってこない。
...つまり、私は小学生と同じ感覚で見られてたってこと?
そりゃ、好きな子にはなれないとしても...
同じ高校生の女の子としてすら見てもらえてなかったの?
あぁ...もう、完全、脈なしってやつじゃん。
「 ── せやから、俺と...、って、え、A?」
「...え、あっ、ごめん、ぼーっとしてた...何?」
「いや、なんで...泣いとるん...?そんな嫌やったか...?」
「っ...!!」
自分が泣いてたことにも驚いたが、それ以上に、
大耳くんの言葉に少し...いや、大きな憤りを感じた。
「嫌、に、決まってるじゃん...!」
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作者(プロフ) - 花さん» ありがとうございます。忘れ雪シリーズ中心で書いていこうと思うので、更新遅くはなってしまいますが書かせていただきます!待っててくださると嬉しいです。 (2021年5月22日 13時) (レス) id: ed687f0afb (このIDを非表示/違反報告)
花 - リクエストよろしいでしょうか?→影山君で股ドンお願いします! (2021年5月22日 11時) (レス) id: 5a0f0dfb22 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 花さん» コメントありがとうございます。嬉しいです(;_;)励みになります! (2021年5月4日 10時) (レス) id: ed687f0afb (このIDを非表示/違反報告)
花 - とっても好みでした!体調を崩さないように気をつけてくださいね! (2021年5月3日 18時) (レス) id: 5a0f0dfb22 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - クマさん» お気遣いいただきありがとうございます...(;_;) のろのろになりますが、見守ってくださると嬉しいです。コメントありがとうございました(;_;) (2021年4月18日 15時) (レス) id: ed687f0afb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:作者 | 作成日時:2021年1月15日 22時