検索窓
今日:19 hit、昨日:3 hit、合計:27,330 hit

ページ11

*




「あれ、椅子は...?」

「...通路につっかえて、持ってこれんかった。思てたよりでかいんやな、アイツ」

「あぁ...棚同士の間隔も狭いもんね...どうしようね、踏み台とかあったっけ」

「んー...あっ」



難しそうな顔をして唸っていた大耳くんが、なにか閃いたように小さく声をあげる。



「ん、何かいいのあった?」

「いや...A、この箱もってくれるか」

「え、うん...?」


「Aて、高いとこ大丈夫やったよな?」

「うん...え、なんで急に?」



そんな私の問いには答えず、よし、いけそうやな、と真顔でひとりうなづいている。




「ほんじゃ、いくで」


「え?いくって...、って、きゃあっっっ??!!!」








大耳くんがそういった次の瞬間、腰あたりに添えられた大きな手と、ふわっとした感覚。


自分でも何が起きているのか一瞬わからなかったが、すぐに大耳くんに持ち上げられているのだと理解した。






「お、おおおおおお大耳くんっ...?!!」

「どや、届きそうか?」




いや、届きますけども。

余裕で届きますけども!!





恥ずかしさやら驚きやら、もうなにがなんだか分からない感情で頭がぐちゃぐちゃだ。



それでも激しく動く心臓の音と、全身から発せられる熱ははっきりと認識してしまって、それがさらに頭を混乱させる。




「お、いけたな。ほな、降ろすで」

「う、ん...」





...え、何が起きた?



いや、何が起きたのかはわかる。


いやいや、でも、何が起きた???





「A?」

「 ...っ」




鏡を見なくてもわかる、きっと私の顔は真っ赤だ。


だって、大耳くんの手が私の腰にあって...
そのまま持ち上げられて...






え、待って待って、重いとか思われた...?!

しまった、もっとダイエット頑張ればよかった。

いや、違う、そうじゃなくて。



っていうか、絶対スカートのなか見えてたよね?

今日、可愛いの履いてきてたっけ?




って、いやいやいや、だからそうじゃなくて!






「さっきから何で下向いて...、やっぱ高いのあかんかったか?」

「い、いや、そうじゃないの...!そうじゃない、んだけど...」




どうしよう。なんて言えばいい?

好きな人に持ち上げられて恥ずかしくてでもちょこっと嬉しくて?


って、いや、言えるか。





*

*→←*



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 7.6/10 (49 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
58人がお気に入り
設定タグ:ハイキュー , HQ , 短編集   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作者(プロフ) - 花さん» ありがとうございます。忘れ雪シリーズ中心で書いていこうと思うので、更新遅くはなってしまいますが書かせていただきます!待っててくださると嬉しいです。 (2021年5月22日 13時) (レス) id: ed687f0afb (このIDを非表示/違反報告)
- リクエストよろしいでしょうか?→影山君で股ドンお願いします! (2021年5月22日 11時) (レス) id: 5a0f0dfb22 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - 花さん» コメントありがとうございます。嬉しいです(;_;)励みになります! (2021年5月4日 10時) (レス) id: ed687f0afb (このIDを非表示/違反報告)
- とっても好みでした!体調を崩さないように気をつけてくださいね! (2021年5月3日 18時) (レス) id: 5a0f0dfb22 (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - クマさん» お気遣いいただきありがとうございます...(;_;) のろのろになりますが、見守ってくださると嬉しいです。コメントありがとうございました(;_;) (2021年4月18日 15時) (レス) id: ed687f0afb (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:作者 | 作成日時:2021年1月15日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。