泡が十 ページ10
夕方、Aは此の建築物内の太宰の部屋を訪れていた。
「し、失礼します」
二回のノックの後、そっと隙間から中を覗き込む。
礼儀は殆ど知らない彼女ではあるが、以前訪れた際に半裸の太宰と鉢合わせた事があり、其れ以降ノックと声掛けは必ず行なっている。
相手の返事は無かったが、勝手に入ってもいいと事前に云われていたので、Aは用心し乍ら奥へと進む。
少し進んだ先にソファがあり、太宰は其処で身体を小さく折り畳んで眠っていた。
安らかに眠っている彼は死人の様であり、また美しかった。
整った顔立ちも普段の言動が台無しにする。
太宰の寝顔を見たのは初めてで、彼を綺麗だと思ったのもまた初めてだった。
本当に死んでいるのでは、と彼に手を伸ばすと、其の手を掴まれ一瞬の内にソファに組み敷かれた。
「太宰ッ……寝た振りはよくないよ」
「Aこそ、男の寝込みをおそう何て中々度胸があるじゃないか」
「そんな事……!」
「……嘘」
何時になく妖艶に微笑んだ太宰は、身を捩るAの両手を片手で纏め上げ、もう片方を�茲に添えた。
「太宰、待っ、」
其の儘顔の距離が近づく。
残り五糎、四、三、二、一……
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京beスウィーツ(プロフ) - おきリンゴさん» 済みません。存じ上げなかったので、調べさせて頂きました。まどマギの登場人物なのですね(違ってたら済みません!)。そんな立派なお話しは書けませんが、また見て頂けたら幸いです。コメントありがとうございました。 (2017年9月17日 18時) (レス) id: 35074ef1fd (このIDを非表示/違反報告)
おきリンゴ - 人魚姫… さやかを思い出してしまった… (2017年9月13日 22時) (レス) id: 8fe98c431a (このIDを非表示/違反報告)
京beスウィーツ(プロフ) - マイさん» コメントありがとうございます。面白いと思って頂けて嬉しい限りです!更新は遅くてご迷惑をお掛けするかも知れませんが、最後まで頑張りたいと思います。応援ありがとうございます! (2017年6月25日 11時) (レス) id: 35074ef1fd (このIDを非表示/違反報告)
マイ - とても面白くて更新楽しみにしてます!これからも頑張ってください!! (2017年6月17日 8時) (レス) id: 1068f74b75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:京beスウィーツ | 作成日時:2017年4月2日 17時