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泡が六つ ページ6

「彼女の両親は特殊でね。二人共異能は持たなかったが、運動能力が高い人達だったよ。父親は此処で特殊部隊のエース、銃も刀も一流で単独で行動する事も多かった。母親は裏社会の住人ではなかったのだけど、足が疾かったねぇ。夫でさえも彼女から逃げ切る事は出来なかったのだから……と、思い出話は止そう」


不意に森は話を切り上げ、元の席に戻った。
代わりに、太宰が続けて、


「そんな御両親の遺伝子を引き継ぎ、強力な異能を持ったAを、彼らは滅多に外に出さなかった。其の行動が怪しく思えたんだろうね、其の時ポートマフィアと対抗していた組織が百人余で彼らの家に乗り込んで、家族の殺害を企んだ。幾ら運動能力が高いからと云って母親は一般人。父親も人を守りながらでは戦いづらく……其れでも八割は仕留めただろうがね……二十人程度の外敵が彼女に遺された訳さ」


太宰は何かを思い出すように目を伏せた。


「首領が現場を確認しに行った時には二人共事切れていた。そして、対抗していた敵組織も"全員"。血で塗れた刀と拳銃を手に持った、片腕が脱臼した一人の12の少女以外、誰も生きてやしなかったのさ」

「なっ!」


「其の娘を首領は引き取り、以降首領本人と私と中也が付く時以外部屋からでさえ出さなかった。今では昼間は出られるけどね」


太宰は不幸な彼女を想った。
生まれてから外の世界を遠く感じていた彼女が、知らない組織の知らない大人に囲われて、
如何してより外界を遠く感じる事がないだろうか。
好奇心旺盛なこの時期に外の世界への渇望は大きかっただろう。其れが叶わない事がどれ程の苦痛と悲しみを彼女に与えただろうか。
屹度測り知ることは不可能である。

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京beスウィーツ(プロフ) - おきリンゴさん» 済みません。存じ上げなかったので、調べさせて頂きました。まどマギの登場人物なのですね(違ってたら済みません!)。そんな立派なお話しは書けませんが、また見て頂けたら幸いです。コメントありがとうございました。 (2017年9月17日 18時) (レス) id: 35074ef1fd (このIDを非表示/違反報告)
おきリンゴ - 人魚姫… さやかを思い出してしまった… (2017年9月13日 22時) (レス) id: 8fe98c431a (このIDを非表示/違反報告)
京beスウィーツ(プロフ) - マイさん» コメントありがとうございます。面白いと思って頂けて嬉しい限りです!更新は遅くてご迷惑をお掛けするかも知れませんが、最後まで頑張りたいと思います。応援ありがとうございます! (2017年6月25日 11時) (レス) id: 35074ef1fd (このIDを非表示/違反報告)
マイ - とても面白くて更新楽しみにしてます!これからも頑張ってください!! (2017年6月17日 8時) (レス) id: 1068f74b75 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:京beスウィーツ | 作成日時:2017年4月2日 17時

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