泡が十六 ページ16
中原や太宰に同じ行為をされた時は鼓動が高鳴り、顔が真っ赤に染められた彼女だったが、今回は赤くもならず、又は青ざめもせず。
全身の毛が不快感に拠って逆立ち、鳥肌が立つのが判った。
「其の反応だと良い様には思われてない様だな。ならば君を殺す迄だが」
何処からか取り出した大型の斧を、Aの太腿にかざす。
「人魚姫に脚は無いだろう?ああ、其れと喉も潰さなきゃいけなくなるなぁ。さぁ、如何する?俺の物に成るなら頷け。騙そうなんて考えるなよ。口輪だけは外してやれねぇからな」
Aの異能力を使わせる気は無いらしい。
然し彼女自身の持つ運動能力の高さは知らないのか、頷けば縄を解くと云う。
そうとなれば、彼女は頷いて、解放された手足を使って殺す事が出来る。
だが、
「如何なんだ?」
ゆっくりと、然しはっきりと。
横に首を振った。
「そうか。じゃあなっ!!」
男は斧を高く構え、振り下ろした。
然し其れがAの脚に当たる事はなく、又地面に落ちることも無く。
"重力に逆らって"空中に漂っていた。
遅れて、誰かが"着地した"音が聞こえた。
「A、大丈夫か」
続いて、ゆったりとした歩調の足音がした。
「全く、君は如何してそう頑固なのだろうね」
歩いて来た彼は、苦笑しながら一発の弾丸を放った。
「うぎゃあああああああ!!!!!!」
汚い呻き声が響いたが其れも一瞬の事。
ふっと、何倍もの重さになった斧が落ちて、一人の男の命を絶った。
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京beスウィーツ(プロフ) - おきリンゴさん» 済みません。存じ上げなかったので、調べさせて頂きました。まどマギの登場人物なのですね(違ってたら済みません!)。そんな立派なお話しは書けませんが、また見て頂けたら幸いです。コメントありがとうございました。 (2017年9月17日 18時) (レス) id: 35074ef1fd (このIDを非表示/違反報告)
おきリンゴ - 人魚姫… さやかを思い出してしまった… (2017年9月13日 22時) (レス) id: 8fe98c431a (このIDを非表示/違反報告)
京beスウィーツ(プロフ) - マイさん» コメントありがとうございます。面白いと思って頂けて嬉しい限りです!更新は遅くてご迷惑をお掛けするかも知れませんが、最後まで頑張りたいと思います。応援ありがとうございます! (2017年6月25日 11時) (レス) id: 35074ef1fd (このIDを非表示/違反報告)
マイ - とても面白くて更新楽しみにしてます!これからも頑張ってください!! (2017年6月17日 8時) (レス) id: 1068f74b75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:京beスウィーツ | 作成日時:2017年4月2日 17時