新たな双星？☆4★ (ページ10)

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Happy Valentine♪★ ページ10

？)「…せい、…う先生！…医院長先生！？」

診察室の椅子に座り
気付けば目の前でナースが僕を呼んでいた。

やっと気付いたと思ったのか
ほっとしたような表情で書類を残し
部屋の戸を閉めて行った。

…ガラガラガラ

もぅ一度ノックも無く扉が開く
大体こういう時はいつも誰か決まっている。

憲)「よぉ！藪医者～」

ニヤッと笑いながら近づいてくるこの守銭奴が
この表情をしている時はろくなことがない。

勘)「何スか憲ちゃん…もぅ結果も聞いたんスよね？帰って良いス…」

僕の言葉を遮る様に
憲剛の大きい算盤が机の上のカレンダーを指す。

憲)「上の空の原因はコレだろ？」

ニヤニヤしながらこちらを見る憲剛の視線を無視して僕は冷静を装ってみたものの
付き合いの長いこの人には見透かされているだろう。。。

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［前日の夜］

僕は仕事から帰り帰宅をすると
いつもの様にAが出迎えてくれた。

食事を済ませ、風呂に入り、ティータイム…
いつもの事に思えるが
何やら少し彼女がソワソワしている事に気が付いた。
それもキッチンに近付く時にだけ…

少し気になりながらも
彼女と一緒に寝室へ向かいそのまま就寝…したはず
だったのだが、どうにも気になり
彼女が眠った事を確認して
キッチンへ向かった。

冷蔵庫を開けるとチョコレートや
バター、卵、牛乳等が目に入り
戸棚の引き出しには袋やラッピングの道具が入っていた。

僕はその時
手元の携帯の日付を見てハッとしたのだった。

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勘)「カレンダーがどうかしたんスか？」

興味が無いフリをして憲剛の方へ向き直すと
着物の袖に手を入れながら憲剛の眼鏡がキラっと光った気がした。

憲)「菓子作りを撮ってきてやってもいいぞ？
今なら…チャッチャッチャチャこれでどうだ？」

算盤を弾き、篦棒に高額な金額を提示する。

…正直、気にならないと言ったら嘘になる。
Aがどんな顔で僕の為に作ってくれているのか
見てみたい気もするが…
…いや、そもそも僕だけの為ならあんなに
バレンタインの食材や材料は要らないはずで
きっと他にも誰かしらに渡すと思うと

何とも言えない気持ちになるのだった。。。

僕が葛藤している中
全てを悟っているように (本人は隠しているつもりだろうがニヤニヤが漏れているんすけどね…)
こちらを見ている憲剛に
俺は首を縦に振るのだった。

憲)「毎度あり～￥」

満足そうに部屋を去る憲剛に負けた気持ちになるのだった。