ワンコとボクのあいだに。 (ページ7)

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orange side

「まぁ、名前は後で決めるとして」
「取り敢えず仲直りしよ、な？」

元の位置に座ったら、カバンから取り出した菓子パンの袋をチラッと見せた。

ガサガサ…ガサガサ…

「……」

ワザとらしく音立てながらパンの袋開けたら、鼻がピクンと動く。

「おいで」
「一緒に食べよ」

パンを袋から取り出して近付けたら、途端にハッハッて息遣いに変わって近寄ってきた。
ヤバい、コノコめっちゃ可愛い。

「…ウマイな」

「……」

膝の上に乗せ、パンを少しずつ手でちぎって口へ持って行くと、フガフガ言いながら食べて。
あまりに旨そうに食べるから、僕もお裾分けして貰ってあっという間に食べ切った。

ワン、ワン

ありがとう、でも言うてくれてるんやろうか？
すっかり距離が縮んだら、両手で胴体持って顔同士近付ける。

「僕はマル、ヨロシク」
「こう言ったカタチでお近付きになれたんも何かの縁やと思うから」

「これから仲良うしたってな、へへ」

「……」

少し湿った鼻先に軽くキス落としてやったら、今度は僕の鼻をペロッと舐め返してきた。

「あはっ」
「なんやねん、やっぱ可愛いなお前」

少し高く持ち上げたら、ちっこいけどシンボルらしいの付いとるからオトコノコだと確認。

「うし、ほな大人しく待っといてな」
「僕急いで片付けして遊んだるから」

ワン、ワン

漸く可愛らしい返事が聞けて安堵したら、一先ず持ってきたモノの片付けに取り掛かった。