ワンコとボクのあいだに。 (ページ5)

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orange side

「えー、どのワンコも可愛らしいなぁ」
「じゃあ僕は…」

一先ずキャンキャン吠える犬を静めようと手を伸ばしたら、僕を避けて信ちゃんトコへ走って逃げた。

「ふは、気に入られたか？」
「ほなオレはコノ犬にするわ」

信ちゃんの足元を吠えながらクルクル回る犬。
両脇持って抱き上げたら途端に大人しくなって、信ちゃんの頬をペロリと舐めた。

「…おし、じゃあ僕は」

「……」

残る1匹。
威嚇してんのかめっちゃ上目遣いで睨み利かしてんけど、その見た目が可愛すぎて全然怖くあらへん。

「…おいで」

手を差し出すとソロソロと近寄ってきて、指先をカプッと甘噛みされた。

「っ…大丈夫、怖く無いから」

「……」

警戒してまだ暫く睨んでたけど、それ以上攻撃してくる感じでもなかったから、胸んトコまで抱き上げる。

「んじゃ、お互い担当も決まったトコで」
「早速自分らの事、片付けてまお」

階段上がって各々決めた部屋に入ったら、窓開けて部屋ん中を見渡した。

家こそ古いモノの家具の殆どは新品で、まるで僕らの為に準備してくれてたように思えた。

でも…何で僕らなんやろ？
あの老人のお眼鏡に叶うような事、今まで何もしてへんかったのに。

「……」

ベッドに乗せたら、相変わらず睨み利かせてくるコノコ。
飼いますとは言うたけど…ちゃんとココロ開いてくれるんやろうか？