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orange side
「へぇ、マル」
「ハダカで寝てる年頃のお兄さん見て、一体なに想像してたんかなぁ？」
「すばる…っ」
「変身した姿よりもハダカに動揺て」
「さすがドウテイくん、目の付け所がちゃうわ」
「そん…っ」
僕の身体を仰向けにしたら、腹の上にすばるが跨がった。
両手首掴まれてシーツに縫いとめられると、ゆっくり顔が近付いてくる。
「なぁ…教えて」
「オレの身体見て、マルは何を想像した？」
「っ…」
近付く唇。
すばるとキスをする…。
犬やなくて…人間のすばると。
グッて閉じてもうた目。
気配だけですばるを感じると、あとちょっと重なるトコで顔逸らしてもうた。
「……」
「…ゴメン」
「なぁマル、1コ聞いて良い？」
「…ん」
少しずつ目を開くと、すぐ近くで不思議そうに僕を眺めるすばる。
「さっきリビングおった時さぁ」
「何でオレにキスせぇへんかった？」
「ぇ…」
「あん時な、マルの心にブワッと靄が掛かってん」
「ついで言うと今も」
「なぁ」
「オレとのキス、なんで躊躇った？」
「……」
集中でもしてるやろうか。
眉間に皺寄せ怪訝な表情して僕の心を読み取ろうとしてるから、笑顔で躱す。
「なっ…は、恥ずかしかったんちゃう？」
「だって今だってすばるのハダカ見ただけで…」
「や、ちゃうな」
「そんなん何も読み取られへんかった」
「……」
「…深いな」
「マル、お前も何か深いんモン持ってんのか」
「……」
「あぁ、残念や」
「今のオレにはそこまで読むチカラがあらへん」
掴んでた両手が離れると、腹の上に跨ったまますばるは不満気に僕を見下ろした。
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作者名：かんく | 作成日時：2017年10月1日 16時
