ワンコとボクのあいだに。 (ページ30)

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「…あっ、そうそう」

暫く皆で学祭の話してたら、ヤスが何か思い出したように僕と信ちゃんの顔を眺めた。

「信ちゃんとマルってさぁ」
「もしかして…今、ペットとか飼うてはる？」

「へっ？」

突然な質問に焦った。
何で急にそんな事？
まだ誰にも話してへんのに。

そういや、打ち合わせしてなかった。
秘密にするって…どこまでを秘密にするとか。
いや…さすがに犬飼ってるくらいは言うてもエエんちゃうかな。

堪らずヤスから顔逸らしたら、ポカン口した信ちゃんもこっち向いて目が合った。

「いや…なんでそんな事？」

信ちゃんが恐る恐る聞くと、ヤスはふふっと笑う。

「昨日さぁ、ペットショップから2人出て来たの見かけてん」
「袋いーっぱい買い物してたから、犬か猫でも飼い始めたんかなぁ、て」

あぁヤスに見られてた、と思うた瞬間。
信ちゃんが僕のイスの脚をコツンと蹴った。

「何か言え」って目ヂカラで押してくる信ちゃんには逆らえず、頭に浮かんだ事まんまを伝える。

「あっ…あぁー、ねっ」
「そぅ僕、犬飼い始めてん」

「たまたま拾った犬やねんけど、これがまたエラい可愛らしくて」

「まぁ僕も独り身ですし」
「淋しさ紛らわす為にちょっと飼ったろっかなって話になって…」

「ふーん、そうなんやぁ」

裕ちんもヤスも頷いて、どうにかこの場を上手く凌いだ。

これ以上はアカンよね？
ヤスと裕ちんを信頼してないワケやないけどさ。