ワンコとボクのあいだに。 (ページ28)

今日:46 hit、昨日:0 hit、合計:109,322 hit

28 ページ28

purple side

「起きられへんって、大層頑張らはるなぁ」

「うっさい」
「デカイ声で言うなや」

バイト先だか何だかで知り合ったオトコと、3ヶ月前からメデタく付き合い始めたヨコ。

相手は違う大学の学生らしいけど、何でかいつもヨコにひっ付いてて、講義中も昼メシ時も常に一緒にいてる印象が否めない。

見た目はオンナみたいにナヨッて感じやのに、話したら中身めっちゃオトコ出してきたりとかちょっと変なヤツ。

『そのギャップがエエんやて』ってヨコは嬉しそうに語るけど、俺はやっぱり…。

一番に浮かんだのは昨夜の亮の艶かしい姿。
浮かべただけやのに顔の筋肉が緩む。
…アカンな、これって一目惚れってヤツ？

「…ぃ…おい、って」
「お前、鼻の下伸びてんで？」

「へっ？」

我に返ると、呆れたヨコと苦笑いしたマルの表情。
俺、そんなに変な顔してた？

「でさぁ、どうすんねんって話してたやん」
「お前今絶対どっか飛んでたやろ？」

「はっ、飛んでへんし」
「…マル、何の話してた？」

「…はは、今度の学祭の話」

あぁ、せやった。
そういやもうじき学祭が始まるんやった。

適当に寄せ集めて作られた『お友達サークル』。
当日参加できるメンバーで模擬店出す事になったのはエエんやけど。

内容は『カフェ』とまぁ有りがちなモノ。
でも折角出すなら、もうちょい捻り欲しいよなって。

マンガ喫茶…メイドカフェ…ライブ喫茶…。
思い付いたって、イマイチピンと来るもんがあらへん。