ワンコとボクのあいだに。 (ページ27)

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purple side

朝からいろいろ考えてたらどっと疲れが出た。
こんなんじゃマトモに講義なんて受けられへん。

講堂の最後列でマルと放心状態になってたら、これまた相手すると疲れそうなヤツが近寄って来た。

「うぃーす、ってなんやねんお前ら」
「朝からむっさい顔して」

「……」

「ぁ、裕ちんおはよ」

ニヤニヤしながら。
俺らの前の席を陣取るコイツの名は横山裕。
同じく経済学部の3年生。

「ちょっとね、昨夜からいろいろあって…」

「マルッ！」

おいおい。
つい1時間程前に秘密にしとこって話したばっかりやん。
アイツどんだけ口軽いねん？

マルと目が合い顔を横に軽く振ったら、ハッとした後両手で口を塞ぐ。
いやいや、それって怪しさ全開やし。

「なになに？」
「2人して内緒話って…あっ！」

「もしかして、お前らついにそう言う仲なったん？」

「はぁ？」

「良かったなぁマルッ」言いながら、マルの頭ガシガシ撫でるヨコ。
「そう言う仲」って軽々しく言えるコイツも、言うてみたら俺らと一緒。

…てか、「良かったなぁマル」ってなんやねん？
アイツ俺に興味あるなんか、ひと言も聞いた事あらへんぞ？

マルに目線向けたら、頬染めてフイッと顔逸らすとか。
ヤメテクレ、背筋がゾワッとしたわ。

「まぁ冗談はさておき」
「今日はアイツと一緒とちゃうん？」

「珍しいやん、ヨコが独りで行動するって」

「あぁ…ははっ」
「今朝起きられへんって、ウチ置いてきたわ」

鼻の下伸ばして。
真っ白い顔真っ赤に染めて、ヨコがへらっと笑う。