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orange side
「…よぅし、まぁこんなトコか」
「せやね」
その後信ちゃんと朝食を食べながら、昨夜あった事をわかる限りノートに整理した。
僕の犬のホントの名は、すばる。
信ちゃんの犬のホントの名は、亮。
年齢は30半ば…言うてたな。
それ信ちゃんに教えたらかなりビックリしてた。
2匹…いや、2人は普段犬の姿をしていて。
『シンクロ』ってヤツをすると人間になれる。
『シンクロ』をする方法は…まだようわからへん。
思いを通じ合わせる…キスをする…。
昨夜はどっちもしてへんのに、彼らは人間になっていた。
って事は…誰かが操作できるって事？
そもそも何で僕らが選ばれたのか。
他の人に助けて貰う事はできひんかったんか。
そして何より。
選ばれた僕らはこれから先、何をどうしたら良いのか？
『愛情に餓えとうから』
この言葉がどうも引っ掛かる。
僕らが愛情を与えたら、彼らはいつか人間に戻れるんやろうか。
「…まぁ、アレや」
「一つずつ整理していくしか無いんかも」
「暫くはオレらの間での秘密にしとこ」
「もし外にバレて何かあったら」
「それこそ取り返し付かんってなり兼ねんから」
「うん…」
「ほな、そろそろ行こか」
今日は1時限目から授業。
支度を済ませたら、最後すばると亮の昼飯の準備。
「…ドッグフード、食うか？」
「あぁ…」
「そういや昨夜は弁当ガッツラ食うてたもんな」
「…これってさ」
「ヤツらの食費やら何やらで、結局今までと掛かる金って変わらへんのと違うか？」
「……」
「取り敢えず今日は堪忍な」と一言添えて、ドッグフードの側に封を開けた菓子パン置いて家を出る。
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作者名：かんく | 作成日時：2017年10月1日 16時
