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purple side
「お前…」
「俺おんのに何とも思わへんの？」
自分の手の平ばっかり見てニヤニヤしよるコイツに問い掛けたら、ヒョイっと身体起こし目の前で体育座りをした。
「へっ」
「いや全然、怖くも何とも無いよ？」
「やって信ちゃん、オレの事攻撃する気無いやん」
なに？
今「信ちゃん」って言うた。
それってマルが使う呼び方やん。
「…なぁ、夢の中や思うて聞くんやけど」
「お前はその…あの犬、か？」
首輪付けて「信ちゃん」呼ばわり。
信じ難いけど今のこの状況じゃ、マルとの会話を聞いてたアイツ以外考えられへん。
「おん、せやで」
「信ちゃんに黄色い首輪付けて貰った、アノ可愛らしい犬がオレ」
「な…」
まだちょっと疑って掛かっただけに、あっさり答えられて拍子抜けした。
どう言う事？
なんかもうパラレルの世界やん。
犬が人間になるなんか、普通に考えてもオカシイやろ。
そんなオカシイと思える事が、今目の前で普通に起こってるなんて。
「はは、大丈夫やって信ちゃん」
「そのうち慣れてくる思うから」
「…そっか、信ちゃんが飼い主か」
「なかなかオトコマエやな…良かった」
「……」
今度はオンナノコみたいなペタン座りになり、両腕ピンと伸ばして布団に突くと、あの犬と同じ様に上目遣いで俺を見てへらっと笑う。
てか…そのカッコ。
黄色い首輪だけ付けて何も着てないとか、ココだけ見たら何かのプレイやん。
ヤバイわぁ。
見た目ワリと好みやから、ちょっかい出してまいそうやん？
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作者名：かんく | 作成日時：2017年10月1日 16時
