ワンコとボクのあいだに。 (ページ20)

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purple side

「ふふ…ぅ、ん」

一瞬口元が緩んだだけで全然起きようとせえへん。
てか…よくまぁ人ん家でここまで熟睡できるよな。

ホンマ、不法浸入もエエとこやって。
紛らわしい格好までして、被害者にでもなったつもりか？
目が覚めたら警察突き出してやろ。

チリン…

「ん？」

俯せなってたのが仰向けに直った時、鈴の鳴る音が聞こえた。

あれ？
こいつの首、なんか付いてる？

顔近付けて首元見たら、どっかで見た事ある黄色い革製の…って。
これ、さっき犬に付けたった首輪やないか。

いや、いや意味わからへん。
何でコイツが犬の首輪なんか…。

ﾊﾟﾁｯ

「わ…っ」

顔が至近距離のまま、眠ってた目がいきなし開いて目が合った。

「んぅ…？」

まだ寝惚けてんのか。
目の前の俺を見ても一切驚かへんし、逃げようともせぇへん。

「…おい、お前」
「人ん家のベッドでなに寛いどんねん？」

眉間に皺寄せて威嚇したったけど、そんなん気にする事無く自分の両手を顔の前に持ってきて眺め、ふにゃっと笑うた。

「わ、『シンクロ』してる」
「やったぁ、久しぶりの人間のカラダや」

「ぁ…って事は」
「今回の飼い主決定したんや！ヨロシク」

「はぁ？」

いや、今の短時間でコイツ何言うた？
シンクロ？
久しぶりの人間のカラダ？
飼い主決定？

頭ん中で復唱したけど、やっぱ何言うてんのかイマイチわからへん。