ワンコとボクのあいだに。 (ページ14)

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orange side

「…ペロ？」
「もしかして…ペロ、なん？」

「ペロ…」
「…うーん、ペロなぁ」

「やっぱペロは嫌や、しっくり来ぉへん」

「てかマル、ネーミングセンス無いわぁ」
「ペロってそのままやんか、そのまま」

ペロって名前にブツブツ不満漏らしてるけど、暗がりでどう対処したらエエもんかわからへん。

「ちょっと…ゴメン」
「電気付けてもエエかな？」

「あぁどうぞ」って2人してベッドから下りたら、照明からぶら下がってるプルスイッチを引っ張った。

「ぅわあっ！」

部屋の中が眩しくなった瞬間、目の前に現れた姿見て叫喚した。

「ぅわあっ！ってなんやねんっ！」
「いきなりビックリするやんけ！」

「いや…いやだって…服…」

ビックリしたんはこっちの方や。
瞳が大きい小柄なお兄さんが1人、赤い首輪以外何も纏ってない状態でそこに立ってるんやから。

「あぁ、心臓に悪ぅ」
「頼むからいきなり叫ぶんだけはヤメテ」

「…ゴメン」

それなりのモン真ん中にぶら下げたまま。
ドカンと仁王立ちして横柄な態度でこっち睨んでる姿見てると、なんとなーく、なんとなーくペロの雰囲気あるような気がした。

「ほ、ホンマに…ペロ、なん？」

「あぁ、せやから言うてるやん」
「せやないと人ん家に全裸で突っ立ってるオッサンやなんて、ただの変態やさかいな」

「…ですよね」

「あぁっ、そうだ服…っ」

話すにしてもさすがにこの格好はアカンやろ思い、クローゼットからネルシャツ取り出して羽織らせた。