幸か不幸か (ページ37)

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(SM side)

ランヒョン、大丈夫かな。

全体リハの休憩中に、ヨンボクとイエニとそんな話をする。朝から体調が(すこぶる)悪そうなランヒョンは、当然その頑固な性格を曲げることなく今日のスケジュールに参加していた。ヒョンは他のメンバーよりも遥かに忍耐力が強い。僕ならたぶんあの熱で5時間リハなんて参加できないし、まず宿舎から出れてないと思う。

FL「大丈夫かな....」
IN「…今日はお風呂1番に入らしてあげよう」
FL「そうだね、大体いつもヒョン最後に入るから...」

コソコソそんな話をするヨンボクとイエニ。ヒョン大好きっ子の二人は、さすがに今回は遠巻きに見るだけだった。リノヒョンとチャニヒョンがほぼ付きっきりでランヒョンのそばにいるのもそうだし、何より年下組が一人でもいるとヒョンはなかなか甘えモードにはならない。

それを知ってか知らずか、チャニヒャンにぐで〜ともたれかかったヒョンは、今朝より生き返っていた。僕にもあれくらいもたれていいのに。

最後の一回を通す声がかかりみんな立ち位置に着く。
音楽がかかるともはや体は勝手に動いてる感覚。踊りすぎて疲れていても反射的に動いちゃう。あ〜、、お腹すいた。

最後の決めポーズをとって「終わり！」と声がかかった瞬間、みんなかろうじて立っていたが崩れ落ちた。

CB「あああ〜〜！疲れた！！！！」
HJ「終わったあ！」

全力を出し合って動けないチャンビニヒョンやヒョンジンの上を跨いでランヒョンのところに一直線で向かう。

SM「ヒョン、」

最後の曲がかかる前まではかなり回復していたヒョンだけど、踊ってる途中からだんだんと辛そうな表情だった。しっかり体を支えてあげる。もう声も出せなくなった様子に勝手に胸が痛む。。

かけつけたチャニヒョンがランヒョンをヒョイと持ち上げてソファーへおろす。

BC「ラン、よく頑張ったね、もう気を抜いて大丈夫だよ」

ランヒョンの頭を撫でながら優しい顔をするチャニヒョン。その言葉にフッと一回優しく笑って、ランヒョンは数分目をつぶっていたけど、そのまま力が抜けて動かなくなった。この数分で一瞬で落ちるって、、相当無理してたんだな。

チャニヒョンの「全くこの子は、、」っていう呆れた声は、きっと隣にいた僕にしか聞こえていない。