幸か不幸か (ページ27)

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そんな事を考えてる間にも、相手の男性二人は僕の手をグイグイと引っ張ってどこかに行こうとする。あれ、これもしかして、ナンパ、、、？一応今僕男なんだけども、、

「No！I'm boy！」
「Hahaha! ok! I don't mind！(俺は気にしないよ)」

いやあなた達が気にしなくても僕が気にするわ！！
いくら鍛えてるとはいえ実質女の僕が男性の力に叶うはずもなく、肩に手を回される。え、これどうしよ、

FL「ランヒョン！！」

半ば涙目で対抗していたら聞き慣れた声が僕の名前を読んだ。ヨンボガ〜〜〜〜！！！

遠くから走ってきてくれたヨンボクは素早く僕と男性達の間に入ってくれて、やんわり距離をとってくれた。できる弟すぎる。。。

FL「〜〜〜〜〜！」
「oh...sorry... please don't get angry....」

いつものポワポワ天使の時とは真逆のすごい剣幕のヨンボクが数分話し込んでいたら、背中越しに二人がどこかへ歩いていくのが見えた。

途端にさっきまで騒がしかったのが嘘かのようにシーンと静寂と波の音だけが聞こえる。

「ありがとう、、、、、ヨ、ヨンボク、怒ってる？」
FL「...。」

ジトーーーーっとした目で見られる。

FL「だからついて行くって言ったのに...。でも、何もなくてよかったあ、、」

ゆっくり手を伸ばして抱きしめられる。その瞬間体の力がスーっと抜けて、今まで無意識に強張っていた体の力が抜けた。髪の毛を撫でるように数回頭を撫でられる。

FL「ヒョン、ナンパされてたんだよ、、わかってた？」
「あ〜...うん、なんか、最初は道に迷ってるのかなって思ってたけど、肩に手を回されたあたりからおかしいなって...」
FL「こっちの人は強引な人が多いし、性別とか気にしない人もいるから、、今度から一人で出歩くの禁止ね？」
「いやナンパなんてされたので初めてだしそんなに心配しなくても」
FL「禁止ね？？」
「、、、はい」

返事に満足したのか、一度強くギュッと抱きしめられてから離れる。もうすぐリハが始まるらしく、まだ戻ってなかった僕を探しにきてくれたらしい。
いつもより頼もしく見える弟に手を引かれながらホテルに戻る。手を離していいよって言っても聞き入れてもらえなかった。うぅ、僕もしっかりしないとなあ。