幸か不幸か (ページ2)

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エピローグ2 ページ2

でも子供って案外そういうのすんなり受け入れてしまうもので、何が何だかわからないまま私は自分のことを男の子だと思うようになった。

するとあらびっくり、風邪一つ引かなくなったのだ
何より、言葉遣いがちょっと悪くても、態度がちょっと悪くても、馬鹿にしてきたあいつをちょっと叩いても、「やんちゃねえ〜」で終わるのがすごく生きやすかった。
女の子の時はもっと女の子らしくしなさいってあんなに言われたのに！いい！

子供の思考なんてこんなもんが限界だと思う。

お母さんはなにやら有名な占いにいってそうしたらいいと言われたらしかった。

なんだそれ、今ならわかる。おかしい。
小さい頃の私もおかしい。

それでもそれ以外は普通の息子として沢山の愛情をかけて育ててくれたお母さんに、高校生になった今更文句なんて言えるはずがなかったし、私自身もこの事に何も思わなくなっていた。

が、

流石にどうかと思う

ボーイズグループでデビューするのは。

ダンスが好きで韓国に来てからもずっと続けていたダンス

高校もダンス専攻で通ったほどだ。踊りながらお金を稼げる職業につきたくてアイドルオーディションを受けて、JYPエンターテイメントに受かった時は死ぬほど嬉しかったのは記憶に新しい。

もちろん男の子として受かりそのまま練習生生活を続けていて、なんと親しいヒョンから一緒にサバイバル番組に出ないかと誘われて、無事デビューをみんなで勝ち取った。

そこでやっと気づいた、私は女だったってことを。
小さい頃に性別を超えてしまった私は感覚がバカになっていたのだ。なんてこった。どうしよう。

死ぬほど悩んだがこのチャンス絶対に無駄にしたくないし、何よりあの地獄の日々を過ごしたみんなを裏切れる訳がなかった。

私は、、いや、僕は、覚悟を決めた。

僕の人生、幸か不幸かどっちだろう。