紅の影を2 (ページ16)

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64.ツメページ16

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念には念をいれ、部屋で燃え盛る炎という炎の温度を上げていく。温度の高い炎は徐々に青色へと姿を変えて。熱風と炎の温度でおそらくダメージを受けているだろう。

その証拠に、さっきまで雨のように降り注いでいた鉄の攻撃も収まっている。そろそろ、か？俺自身も少し息苦しくなったところで、俺は炎の壁を通り抜けた。

火の海の中、ソイツは小さく地面にうずくまっていた。

やっぱり、読みは当たったらしい。少し警戒しながらもソイツのそばに近寄る。このまま、死なれてしまっては困る。弱っているうちに連れ出してしまわないと。

『ヤー、お前生きてんのかよ』

ピクリとも動かないソイツ。ぐっしょりとぬれた黒い髪。相当体力を消耗しているらしい。しまった、少しやり過ぎたか？顔を見ようとソイツのそばにしゃがみ込む。

『おい、なんとか言、え…、っ、』

「…、」

それは、一瞬の出来事だった。

『げほっ、』

咳とともに俺の口から飛び出す鮮血。目の前のソイツに抱きとめられる形で前へと倒れこむ。なにが起きたのか、すぐに頭は理解した。

ぐちゃり、とそんな音を立て、俺の身体を貫くその腕を引き抜くと、支えを失った俺の身体は真横へと倒れこむ。

ソイツの手は銀色の刃へと変わっていた。

こびりついているその赤は間違いなく、俺のもの。これを、狙ってたのか。お腹に手を添えるとドロドロと流れている液体。

っていうか、この隊服貫けるってどんだけ硬いんだよ、ライトセーバー使っても貫けないのに…。あ、ライトセーバーのことも弾いてたっけな。

『お、まえ…、』

「はあ、はあ…、あんた、詰めが甘いってよく言われない？」

ソイツはその場にへたり込んだまま、俺を無表情に眺めていた。どうやらソイツも動けないらしく、息が荒い。

緩慢な動作で俺の足に触れるとその瞳がラピスラズリに再び光る。咄嗟にソイツに向かって火を放った。

「あっちぃ、」

反射的に手を引っ込めたものの、俺の足は見事に銀色に変化していて。もう、歩くこともできないだろう。

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