We are 268 ページ26
「ちょっとここで待ってて。お手洗い行ってくるから」
本当にもう乗り込む直前。スンリンヌナはそう言うと、女子トイレに姿を消した。まじか…！このタイミングで放置するってまじかあのヌナ…！！
愕然としながらもヌナの背中を見送ると、どうしようもないのでそばにあるベンチに腰を下ろす。新聞をなにやら渋い顔で読むビジネスマンや、家族旅行なのか、眠たそうに母親にもたれかかってる子供、思ったよりも搭乗人物は多そうだ。
僕自身うとうとしながらも、ぼんやりとヌナの帰りを待つ。と、少し騒がしくなる周り。
「今から中国かあ！美味しいもん食べたいな」
「あー、それならタオが教えてあげるよ？火鍋でしょ、回鍋肉でしょ、いーっぱい美味しいものあるから！！」
「タオ、俺あれ食いたい。たまご腐らせたみたいなやつ」
「なにその明らかに美味しくなさそうな食べ物」
「いや美味しいんだって」
サーっと、背筋に冷たいものが流れる。なぜだ…！？なぜ普通にここにいる！？思い浮かぶ姿に俯いた顔を上げられない。顔見られたら絶対バレるって…！！
あ、そういえばスンリンヌナ…！！
やばい、今戻ってきたらメンバーと鉢合わせっていう最悪のシナリオだ！！言いに行かなきゃ！！今すぐに！！！
決断したら行動は早く。
バッと勢いよく立ち上がる。メンバーは？よし、少し離れたところに座ってる。行くなら今だ！！
ヌナが行ったトイレに向かって早足に歩いた。ドアに近づくとちょうど中から分厚いメガネをかけた女の人が出てくる。
それにぶつからないように避けようとすれば。
『っ！？』
パシリ。いきなりその女の人に腕を掴まれた。
「ちょっと、驚きすぎよあんた。私、スンリン」
『えっ、』
「しっ！」
ひそひそと告げられた衝撃の事実に声を上げそうになれば、鋭い女の眼光が飛んでくる。あ、間違いないわ、これスンリンヌナだ。
分厚いメガネに一つにひっつめた髪。顔も多分ノーメイク。服もお洒落なパンツスタイルから、絶妙にダサいジーパンティシャツに変わってる。
これは…、気付く方が難しいわ…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1397人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「EXO」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
YuMiN(プロフ) - 更新楽しみにしています！ (2016年9月3日 3時) (
レス) id: 54a7b44e79 (このIDを非表示/違反報告)
マリン(プロフ) - 続きが気になってます。早く読みたいっ!! (2016年8月19日 21時) (携帯から) (レス) id: e293f064e6 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ☆(プロフ) - こんばんわ！すごく続きがきになってます！更新楽しみにしてます！ (2016年6月1日 23時) (レス) id: 47151e5a8a (このIDを非表示/違反報告)
ゆっきー(プロフ) - まだまだ、続きが読みたいペンです！更新ファイティン☆彡 (2016年2月13日 11時) (レス) id: 4e49b3f959 (このIDを非表示/違反報告)
g - 続きめっっちゃ気になります！！更新頑張ってください！！ (2015年12月27日 20時) (レス) id: a80fd3516f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：穂高
| 作成日時：2015年3月12日 7時
