【No.9】 ページ10
砦を襲って来た魔物達をほぼ討伐し、残りの数は僅かとなったが、
俺達魔物討伐部隊の戦闘可能なデルカダール王国兵、砦の民達の数も僅かになってしまった。
このままでは、俺達魔物討伐部隊は全滅してしまう。
そうすれば、砦の中に魔物達が侵入し、砦の中に居る民達の命が危険に晒される…。
そんな事は絶対にさせない…!!
何か…何か策は無いのか…!!
考え込んでいるうちに1つの策を思いついた。
この策を実行すれば、俺の正体はバレてしまうが、今はそんな些細な事を気にしている場合では無い。
俺はこの策を実行に移す為『グレイグ!!』と叫んだ。
グレイグが俺の呼び掛けに気付き、こちらを振り向いた事を確認してから、
俺は頭からフードを外し、顔を隠していたバンダナを取った。
それから、面白い程動揺しているグレイグに向かってニヤリと笑い、
『グレイグ!まだ私を飛ばせるか?』
と聞けば、一瞬驚いた顔をしたが、すぐに俺の策が解ったらしく、
グレイグもまた俺と同じようにニヤリと笑ってから、
「昔のアレですか。勿論出来ますよA様」
グレイグの返事を聞いた俺はグレイグに向かって全力で走り、
グレイグの手前まで来ると、グレイグはいとも簡単に俺の事を空中に投げた。
魔物達の真上に来た所で、俺はイオグランデを唱えて魔物達を吹き飛ばし、
グレイグが、吹き飛ばされた魔物達を大剣で薙ぎ倒し、
最後に、俺が双剣で的確に息の根を止めて魔物達を倒して行った。
次々と、魔物達が倒されて行く様子を唖然として見ていたデルカダール王国兵や、砦の民達は
俺とグレイグが魔物達を全討伐したのを見て、口々に賞賛の声をあげた。
俺は、そんな仲間達に囲まれながら、砦の中に帰って行った。
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作者名:蜜柑 | 作成日時:2018年6月17日 20時