princess. (ページ7)

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【No.6】ページ7

砦の中からする「勇者様が帰って来た！」「イレブンが無事だった！」と喜ぶ民達の声を聞いて

旅人は砦の中の様子が気になったのか、

キラーパンサーに『少し見てくるよ』と告げると

砦の中に向かい、民達を声がする先へ進んで行った。

俺も、砦の中の様子が気になったので、旅人の後に続いて砦の中に入ったが、

俺の足取りは重かった。

俺は、16年前のあの日…ユグノア王国が魔物達に襲われ

まだ、幼かったマルティナ姫と、王女でありまた、幼馴染でもあった彼女が消えた日より

我が主君デルカダール王…親友であるホメロスの異変にも気付かず、

デルカダール王基、魔王ウルノーガに言われた事を信じて疑わず全て鵜呑みにし、

世界を救う勇者イレブンの事を悪魔の子と呼び、

勇者を捕らえる為に、罪の無いイシの村の民達に危害を加え、

挙句の果て村を焼き払い、地下牢に捕らえた…。

俺には、勇者イレブンに合わせる顔が無いのだ。

そんな事を考えているうちに旅人に追いついて、

俺が旅人の隣に立った時、旅人は勇者の姿を見て『エレノアちゃん』と呟いたのだ。