【No.2】 ページ3
最後の砦を目指して歩き始めて3日目の朝
俺とデールは、道中助けた15人の民達と一緒に砦へやって来た。
俺は取り敢えず怪我をしている民達を治療してもらう為に
医務室のテントへ案内してもらった。
俺とデールが道中助けた民達が治療を受ける為に医務室へ向かうのを見送った後、
俺は砦の皆が怖がってはいけないと思い、
砦の門の側で待たしていたデールの元へ
砦の中で頂いた餌と水を持って行き
「頑張ったな。お疲れ様」と言いながらデールの頭を撫でてやった。
暫くするとそこに、お世辞にもセンスの良いとは言えない服と、
背中に使い込まれ何度も刃を研いだ痕のある大剣を背負った、
我らが英雄グレイグ将軍が来られた。
「お前が民達を助け出してくれた旅人か?」
『あぁ、この砦の噂を聞いてね。気になったから来てみたんだ。彼らは皆その道中で魔物に襲われて居た所を助けて砦まで連れて来た。』
「そうか、民達を助け出してくれてありがとう。感謝する。それはそうと、何故わざわざ砦の外に居るのだ?」
『俺の相棒が砦の中に入れないから外にいるんだ』
「相棒…?そのキラーパンサーの事か?」
『そうだ。デールは人を襲う事は無いが、この砦の中には魔物達によって大切なモノを失った人も多いだろう?その人達から見れば俺の相棒も、大切なモノを奪った魔物達も変わらないからね。』
この会話の後もグレイグ将軍他愛もない会話をしていた。
話し始めて暫く経った頃砦の中から、
「勇者様が帰って来た!」
「イレブンが無事だった!」
と、喜ぶ民達の声が聞こえてきた。
砦の中の様子が気になったので、
俺はデールに『少し見てくるよ』と告げてから
民達の声がする先へ進んで行った。
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作者名:蜜柑 | 作成日時:2018年6月17日 20時