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『初めまして、こんにちは!僕、暁奏舞って言います……!』
それは、1年前。
初めて会った時。
君は綺麗な瞳をまっすぐに私たちに向けていた。
水色がかかった白い髪。美術室に降り注ぐ光でキラキラと反射してる。
ぱちぱちとまばらな拍手。
その綺麗な瞳を細めて、優しく笑う君。
……この子と一緒に活動したい。
あわよくば仲良くなりたい。姉のように慕ってもらいたい。
姉弟で美術を選んでる人もいて、すごく羨ましかったから。
私が先輩たちにしてもらったように、優しく……。
私はそう、思ったの。
気付いたら、新入生の自己紹介は終わっていた。
そうだ……名前だけしか聞いてなかったんだった……。
会話していくうちに、何とかなる……って、考えてたんだよね。
うん、大丈夫!頑張ろう!なんて、呟いて。
道具の説明はたいてい3年生がする……って聞いたから、私はいつも通りに絵を描いていたんだ。
見たものを描く。感じたことを描く。
大丈夫、あの頃と何も変わらない。
そう言い聞かせながら。
今私ができる、精一杯のこと。
それを、形にするのが好き。今も、この頃も。
壊さないように。
『上手……。』
君がそう、言ってくれたの。
『先輩、すごく上手ですね!僕に教えてください!』
そのキラキラした瞳をさらに輝かせて、君は私を見ていた。
『……いいよ!こっちおいで。』
『ありがとうございます……!』
君は嬉しそうに顔を綻ばせた。
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*柑橘類*@馬鹿同盟(プロフ) - 鈴白らむねのサブさん» あんがと((( (2021年9月6日 11時) (レス) id: dcab7e85b3 (このIDを非表示/違反報告)
鈴白らむねのサブ - すこ。 (2021年9月5日 12時) (レス) id: 9cd855a560 (このIDを非表示/違反報告)
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