未完成な僕らの関係図 (ページ12)

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するとそいつは、
制服のポケットからごちゃごちゃとしたストラッブがたくさんついた騒がしいケータイを取り出し、操作し始めた。

何してんねん。

会話中にケータイ触るやつとか無理やわ。

あいつやったら、絶対にそんな事しいひんのにな。

ケータイの画面から目を離そうとしないそいつに、いいかげん呆れて帰ろうとしてたら

「これ、見て」

突然目の前に突き出された、それ。

画面に写っていたのは
……家から出てくる俺と、里桜だった。

「ここ、望くんの家だよね？……浮気は良くないんじゃない？」

挑発するように微笑むこの女。

めっちゃ性格悪い。

「何が言いたいん？」

「写真ばらまかれたくなかったらさ、私と付き合ってよ」

「は？あんたと？付き合うわけないやん」

俺が言うと、

「いいんだー。……宮脇さん、どうなっても知らないよ？」

そう言い捨てて、教室へと帰って行った。

「気立ての良いお嬢さん？どこがや」

誰にも聞こえんくらいの声で呟いて、自分も教室に戻った。

里桜は俺が守らな。

そんな誓いと共に。