人たらし ページ7
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部室で話を聞いていると、
すばるくん→4年、ボーカルギター
丸ちゃん→3年、ベース
ヤスくん、亮ちゃん→2年、ギター
ということがわかった。
都内にある学校だというのに奇跡的にもみんな関西出身ということでも話が盛り上がり、打ち解けるのに時間はかからなかった。
気づいたら時計はすでに19時を指していた。
｢ほな、今日はこれくらいで解散としましょ｡｣
丸ちゃんの一言で入部一日目は無事に終わりを告げる。
学生寮に住む自分とは違い、駅に向かうすばるくん、ヤスくん、亮ちゃんを見送る｡
｢たっちょんまた明日な！バイバイ！｣
ヤスくんが元気に今日決まった少し変なあだ名でそう言ってくれるから笑顔で手を振る。
自分も帰ろう、と思い帰り支度をする。
｢たっちょん、もしかして学生寮に住んでる？｣
｢そうなんですよ、朝苦手なんで少しでも近いとこに住みたくて｡｣
"やっぱり"と嬉しそうに言ったかと思えば"いや、みんなと駅行かんから"とか1人で慌てて弁解をしている。
そんな丸ちゃんが可愛くて思わず笑みがこぼれる｡
｢丸ちゃんほんとおもろいですね。｣
するとさっきまであわあわしていた丸ちゃんが急に目を細めて優しく微笑む｡
｢たっちょんはほんまかわええな。｣
つぶやくようにそう言いながらするっと頬を撫でるからなぜか胸の奥がキュッと苦しくなる。
｢あと、敬語俺に使わんといて？なんか距離感じて寂しいやん。｣
甘い空気のまま甘い声でそう言われたら男なのに女の子みたいな気分になって｡
"丸ちゃんって絶対に人たらしや"なんて考えながらぎこちなく頷いた。
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作者名：桔梗 | 作成日時：2019年1月16日 20時
