本題 ページ18
.
｢できた！｣
すばるくんオーダーの筑前煮とそれだけだと寂しいからと思い作ったお味噌汁と焼いたさんまをテーブルの上に置く。
｢ええ匂い｡お前ほんま料理上手やねんな…｣
すばるくんのそんな一言に胸がうるさくなる。
他のオトコだったらきっとあざとい笑顔でありがとうなんて簡単に言えるのに今の私は照れて俯くしか出来ない。
そんな私をよそにすばるくんは美味しそうに箸を進める。
長くも短くも感じられたその時はすばるくんの少しおじさんじみた"ごっそさん"という言葉で終わりを知らせる。
｢あ、すばるくん、筑前煮とお味噌汁少し多めに作っちゃったからお腹すいた時にでも温めて食べて？｣
語尾が小さくなりながらも言いたいことの一つを消化する。
私にご飯を作ってもらうほどだからきっと外食が多いだろうすばるくんの体を心配して多めに作った、なんて言えば見栄えはいいがその実の所は食べている間だけでも私を思い出して欲しいな、なんてただの下心満載な考えでしかなかった。
｢お、ほんまや。明日の朝にでも温めて食うわ。おおきに｡｣
そう言ってすばるくんは私より少し大きな手で頭をくしゃくしゃっと撫でてくれる。
他のどんなヒトより雑でガサツだったけど他のどんなヒトより暖かかった。
危うくこれで満足するところではあったが本題はまだここからなのだ。
｢あの、すばるくんってさ、彼女さんいたりするの…？｣
本来はご飯を食べながら聞く予定だったこのことを緊張しながら聞くとすばるくんはいつもの少し意地悪な顔でニヤッとする｡
｢まぁ俺モテるしなぁ。｣
なんて言うから思わずまた目線が下がる。
｢でも残念ながら今はフリーやねん。｣
｢だからなんも気にせんと俺のこと頑張って落としてええよ｡｣
喜びと驚きで顔を上げると今まで見たことないくらい男前なすばるくんの顔があった｡
続く
お気に入り登録で更新チェックしよう!
最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している
←切なさヒラヒラ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 76人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
千尋(プロフ) - 撮り合いメイキングで、たちょまるがひなの悪口言ってたの、シンプルに萌えました(*≧ω≦)あと、ヤスとか！(笑)あーれはヤバイですよね！ (2018年12月25日 14時) (
レス) id: 89a42fabbf (このIDを非表示/違反報告)
桔梗(プロフ) - 千尋さん» わかります！いつも優しい丸山くんからふと腹黒が見えるとぐっときますよね！ (2018年12月24日 21時) (レス) id: 10975ff97f (このIDを非表示/違反報告)
千尋(プロフ) - さっすが腹黒たあくん(笑)性格の悪い丸ちゃんも大好きです(///∇///) (2018年12月24日 20時) (レス) id: 89a42fabbf (このIDを非表示/違反報告)
桔梗(プロフ) - 千尋さん» コメントありがとうございます！！性格の悪い倉子ちゃんが大好きなので共感して頂けて嬉しいです´`* (2018年12月24日 20時) (レス) id: 10975ff97f (このIDを非表示/違反報告)
千尋(プロフ) - コメント失礼します！めっちゃもう！たっちょんのわるーい所がたまりません(///∇///)これからも頑張ってください！ (2018年12月24日 17時) (レス) id: 89a42fabbf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：桔梗 | 作成日時：2018年12月19日 16時
