love train (ページ38)

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"大我くん、好き"

溢れた想いは花火の音にかき消される

それでいいんだ。

今のまま、この距離がいい。

前より話せるようになった、友達になれた。

欲張りはよくないから

今は気づかれたくない恋心

「なにか言った？」

聞き返す大我くんをみて安心する

『なんでもない、』

「花火綺麗だね」

そんなことを言う彼の花火に照らされた横顔の方が綺麗だなんて思ってしまう

『そうだね。大我くんも負けてないよ？笑』

このくらいの冗談まじりの言葉なら

「なにそれ笑それ普通は男が女に言うものじゃない？」

冗談で受け取ってくれるでしょ？

『友達に男も女も関係ないよ、』

「Aちゃんは女の子だよ？浴衣も髪も凄い可愛い」

"可愛い"

望んでいた100倍も嬉しい言葉

心臓も100倍速になる

『可愛いとか簡単に言っちゃ駄目だよ～』

少し彼を試したかった

「今日会った時から思ってたよ」

いつも想像以上のことを返してくるから

もっと知りたくなるんだ

『不機嫌だったのに？笑』

「それはAちゃんが嘘つくから～」

結局すべて、彼の優しさだった

『大我くんの彼女になる人は幸せだね～』

「彼女なんていないよー笑嫌味？」

『なんでつくらないの？』

自分の中では禁断の質問も、今この雰囲気ならなんだか聞ける気がして。

「うーん、誰よりも大事な人がいるから、かな」

『それって、幼なじみの子？』

消えそうな声で聞き返す

「うん」

そう頷く彼の表情は、私の見たことのないくらい優しくて愛おしそうな、慈愛に満ちている表情だった。