love train (ページ18)

今日:6 hit、昨日:4 hit、合計:101,133 hit

17 ページ18

視界には自分とは違う、でも見慣れてしまった高校の制服

背後は電車の中の壁

少しごつごつした手に掴まれた腕

「ここなら、まだ安全」

耳元で聞こえる大好きな声

『あ、ありがとうございます、、、』

声が震える

熱を持った顔は何がなんでも見せられない。

そこに私の気持ちは書いてあるから

その状態のまま
しばらくして、京本さんの降りる駅に着く

「あ、俺降りなきゃ。じゃあ、気をつけてね。」

そう言って、少し心配そうな顔を向ける彼

『あの、ありがとうございました、、！』

赤くなった顔を髪で隠しながら、消えそうな声を振り絞る

「この前のお礼！それに困ってる女の子を助けるのは当たり前でしょ？」

王子様みたいな笑顔でそう微笑まれて好きにならない女の子なんているのだろうか

じゃあね、と降りていく彼の背中をみて、

女の子みんなに優しいのか、と考えると少し複雑な気持ちになる

自分の気持ちばかりが募っていくのがつらい。

『私だけ特別だったらいいのに。』

思わず呟いてしまった言葉に反応した周りの人が、微笑ましくこちらを見てくるのを感じて、

さっきとは別の意味で顔に熱を持った。