love train (ページ14)

今日:2 hit、昨日:10 hit、合計:101,257 hit

13 ページ14

それからなんとなく慎太郎とは気まずいから、ななこちゃんとずっと一緒にいる

「Aちゃん、大丈夫？体調悪い？」

どこまでも優しい彼女は、つれない顔をしている私を気にかけてくれる。

『全然大丈夫！ちょっと考え事～』

ごめん！と謝る私に
相談ならいつでも乗るから、って微笑むななこちゃん

「とりあえず、、お腹空いたしなんか食べない？」

『だんごにラーメンに飛騨牛、、、！賛成賛成～』

せっかく来たんだし、悩みは一旦忘れてたくさん食べよう

「樹くん！慎太郎くん！なんか食べよう～」

少し離れて歩いていたら2人にななこちゃんは声をかける

「俺ラーメン食べたい！」

「そこは飛騨牛の寿司だろ～、ななこちゃんとAは？」

「あれ？慎太郎、Aちゃんだけ呼び捨てしてんの？」

樹くんそれ突っ込まないでほしかった
ただでさえ気まずいのに

「まーね！A、俺のこと大好きらしいからさ～。」

『そんなこと言ってない！馬鹿！』

あははっ、ツンデレ～

そういっていつも通り笑う彼を見て、少し安心した

多数決でラーメンに決まり、
4人で順番がくるまで壊れそうなベンチに腰をかける

少しの沈黙

「面倒だからみんな呼び捨てでいいんじゃない？」

沈黙を破り、さっきの話を掘り返して

少し羨ましそうな顔をしながら言う樹

きっと、そう呼びたい人がいるのだろう

『そうだね～、ななこちゃんとかさ、長くて呼びづらかったし笑』

たしかに～
って笑ってるななこの横で樹が愛おしそうに見つめている

ああ、恋してるんだなって思うと

ふと京本さんを思い出してしまう

『会いたい、、、。』

思わずこぼれてしまった言葉。

その時一つの視線を感じた

ﾋﾟﾛﾝｯと自分の携帯が鳴る。

森本慎太郎隣にいるのにごめん笑
森本慎太郎俺、Aに言いたいことあるからさ、遠足終わったら一緒に帰ってくれないかな?

隣の人からのLINEに驚く

さっきの事なのかな、と不安になりつつ、
隣をみて頷いた

"ありがとう"

みんなに聞こえないように口パクで伝えた彼の顔表情は、とても優しかった

さっきの樹でも、

今会いたい京本さんでもない

彼の、慎太郎だけの笑顔