love train (ページ13)

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『やっと着いたぁぁ！！』

特急で約1時間、着いた先は飛騨高山

普段は見れない古い街並みに胸が高鳴る。

『慎太郎慎太郎慎太郎！なに食べる！』

樹くんはななこちゃんとばっか喋ってるから、隣にいた慎太郎くんの肩を叩きながら一方的に話しかける

「ちょ、Aちゃんいきなりどうしたの、呼び捨てしてたっけ？笑てか痛い痛い」

興奮してたせいか無意識で呼んでたみたいだ

『ちょっと興奮しちゃって、、』

えへへっ、なんて似合わない可愛い笑い方をしてみる

許して？と言わんばかりに

「可愛いって～その顔でもう一回慎太郎って言ってみて！ね！？」

予想とは違う反応に困惑しつつ、慎太郎くんの圧に押されて、
お望みどおり

『し、慎太郎、、？』

「さっきのが可愛いかなー、不合格ね。ってことで、これからは呼び捨てね？Aちゃーん」

いやいやいや聞いてない聞いてない

前から気づいてたけどこの人は自由人すぎる

「あ、じゃあ俺もAって呼んでいい？」

『へ？いいけど、、、』

やったー、って笑う顔はやっぱり少年みたいで可愛い
なって思ってしまう

「なんか付き合ってるみたいでめっちゃいいじゃん～」

前言撤回。

『やっぱ駄目！付き合ってないし！』

なんて私の叫びは彼の右耳から左耳へ通り抜けていったようで、

「樹たちんとこ行くよ！A～～～」

わざとらしいー！

『慎太郎のバカ！悪魔だ！』

最大級の嫌味を言ったつもりが

「それ俺にとって最大級の褒め言葉って知ってる？笑」

慎太郎くんは表情に出やすい。

今、彼の表情を言葉にするなら

"ざまあみやがれ！"かな。

『慎太郎だーいすき♡』

なんだか負けられないと思い、挑発にのってしまう

これで敵は降参だ

「、、、、。思ってもないのに言わないでくれる？Aのばーか」

ちょっと怒ったような、照れたような声で呟く慎太郎は顔を見せてこない

なにか気に触ること言っちゃったのかもしれない

『ご、ごめん。でも友達として大好きだから！』

自分でもなに言ってるのか分からないけど
とにかく今は謝っておくのが賢い

「それが1番傷つく」

そう呟くと

「はやくしないと、樹たち待ってるから行こ。」

ゴツゴツした"男の人"の手が私の腕を掴んで引いていく

少し熱を持った手

『今日はいろいろ調子狂う、、、』