love train (ページ12)

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"Aちゃん"

この声がずっと頭の中をリピートする

みんなの前で平常心でいられる自信がない

学校に着いて、みんなが遠足ではしゃいでいる中

わかりやすく黙っている

声が出ない

「おはよう！、、ってAちゃん？」

ななこちゃんは察しが早い。

別世界へ行っているような私の表情をみて、普段見せない笑みを浮かべる。

「あ～、もしかして、っていうか絶対、love trainだ～」

『どどどどどうしよう、、、喋った、、、Aちゃんって言った、、、、』

震えながら話す私に、ほらねって顔を向けてくる

「大雑把すぎてよくわかんないよ～、もーーっと詳しく、ね？♡」

ななこちゃんは意外といじわる。思い出すだけでパニックになるのに。

「慎太郎くんも樹くんもまだ来てないからさ、今しかないよ？」

そういう問題じゃないんだけど、、、

『意外としょうもないとか言わないでね？、、』

「言わないよ～、だって今日のAちゃん過去一やばいから！」

今日のななこちゃんも過去一楽しそうだよね

『昨日のお弁当のこと覚えてる？』

そういって話し始めた私に目を輝かせながら聞いてくれる

話が終わる頃にはななこちゃんまで別世界に行ってしまった

「お、お疲れ、Aちゃん、、。なんか自分までドキドキしてきちゃったよ。その人に恋しそう、」

『そ、それはよくない！』

ななこちゃんは冗談まで本当に聞こえちゃう

「それは冗談冗談～、でもさ、確実に一歩進めたね！」

『そう思っていいのかな、、？』

当たりまえ！って凄い自信に満ちた声と顔で言ってくるから、頷くことしかできない

やっぱAちゃん可愛いからなあ～、うんうん。って独り言を呟くななこちゃん

『ありがとうななこちゃん、ちょっと現実に戻ってこれたよ！遠足楽しむぞ～～』

「なにー、Aちゃんそんなに遠足たのしみなの？可愛いー」

ななこちゃんの声が返ってくるはずなんだけど、

反応した声は聞きなれた男の子の声

『あ、おはよう！慎太郎くん、樹くん』

「2人とももうちょっとで遅刻だよ～」

「してないからセーフ！」
人見知りしてたななこちゃんも、だんだん慣れてきたようで樹くんも嬉しそう

『慎太郎くんも簡単に可愛いとか言わない方がいいよ？』

勘違いする女の子が可哀想

「俺は本心しか言わないから～」

ね？

って少年みたいな笑顔を向けてくる彼にはいつも反論できない