Dとネコ (ページ12)

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D.11 ページ12

とっても不思議な感覚だった。

超能力なんて霊感すらないんだから、猫の言いたいことなんてもちろん僕にわかるはずがない。

でもね、このネコの言いたいこと、僕にはわかった。

「にゃー？」

君の名前は A って言うんだね。
僕の名前を知りたいって？

『初めまして、僕はカン・デソン』

ネコは驚いた顔をした。
まさか僕のことがわかるわけないしねえ？？

『迷ってここに来たの？』

さすがにこの質問には答えられまい、と思ったけれど。

君は相変わらず、

「にゃー」

と答えてくれる。
まるで意思疎通してるね、僕たち。

続いて、

(テソンさん、わたしは今どこにいるの？)

と聞いてきた。

『ここはね、韓国のハンナム洞にあるマンションだよ～』

本当に僕の言ってることがわかるみたいで
どんどん目がまんまるになっていった。

『どうしたの？そんなに驚いて』

(だってね、昨日まで私、日本にいたんだよ！)

って君が言うもんだから、聞こえ間違えかなと思って笑っておいた。