[Q.K]君じゃなきゃ［短編］ (ページ1)

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1.ゲームは謎解きのあとで［kwmr］ページ1

今日分の家事が終わり、ゲームをしているといきなりインターホンが鳴る。

こんな常識外れな時間に誰なんだと心の中で悪態をつくが、こんな夜更けに家くるのは一人しかいない。

kwmr「幼馴染を玄関に放置してなにしてんの」

小学校からの幼馴染の河村だ。…正直腐れ縁、といった方が正しい気もするが。

大学は違うものの二人とも東京だったので心配した親が隣同士の部屋を借りたのでこうやって定期的に遊びに来る仲である

『なにって…ゲーム？というかどうせ合鍵持ってんだからいいでしょ』

毎回インターホン鳴らすの律儀だよねなんて言いながら思い出すのは合鍵を交換し合ったときのこと。

家を隣同士にするような親だ。当然どちらかが倒れた時用に合鍵を交換した。

ーー鍵を交換すれば、もしかしたら幼馴染以上の関係になれるかもしれない。

そんな期待を何も変わらない今の現実が【ただの夢物語】だと嘲笑っていた
…変わろうともしなかったくせにこんなこと考えてしまうのは無粋だな。悪いくせだ。

kwmr「俺じゃなかったらどうするつもりだったの」

『こんな時間に私のとこに来る人、セールスか河村以外いないよ』

わかりきった質問をしてニヤニヤする河村に当然のようにそう答える

河村しか、そういうと嬉しそうにそっかって喜ぶ姿でうれしくなってしまうのはそれほど君におぼれているからなんだろう

私の幼馴染は私の好意を煽るのがとても上手い。ほどほどに期待感を持たせてくれる

…こういうとこなんだよなぁ、あきらめきれないのは。

いつまでも未練たらたらで諦められない自分から目を逸らすように視線と意識をゲームに向ける