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18 朝焼けの太陽 ページ18
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目を開けると、知らない場所だった。
毎朝起きると、灰色だったはずのいつもの世界は真っ白な世界に変わり、それよりも真っ白な光が差し込む。
美味しそうな匂いと、油が軽くはじける音。
ああ、そうか。
また帰ってきてしまったんだ。
けれど以前とは違う場所に戻って来た。
ひたひたと血の気ない足で真っ白な世界から抜け出せば、暗い世界にいた彼女が今日は明るい世界にいた。
「…帰るなんて言わないでくださいね」
おはようと言うのも気軽に声をかけるのも、近くに行くのも全部違う気がしてただ見つめていたら、同じことを感じていたのか、挨拶ではなく困ったように笑った。
心地よかった。
何も考えず眠れたのも何も考えず起きれたのも、いつぶりだろう。
「ご飯、食べましょ？」
「うん」
彼女が両手に持ったお皿を机の上に並べた。
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作者名：椿 | 作成日時：2021年9月20日 21時
