お団子頭のメイクさん (ページ16)

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どうせならこのままが良かったのに…いやいや、必死に頭を振る。

そんな俺の顔を覗き込むメイクさん。

「起きました？」

「は、はい」

困ったように笑う彼女にどうしたんだろうと思ったけど、まだ頭を預けていたことを思い出す。

咄嗟に起き上がると、彼女は面白そうに笑った。

この人は色んな顔して笑うんだな。

しばらく見つめていると、今度は恥ずかしそうに顔を手で触り始めた。

「何か付いてますか」

「あ、いや…」

ああ、なんだか今日は本当にダメだ。

段々また熱を取り戻すように頭がぼーっとしてきた。

　
「色んな顔するんだなって」

切長の目をまん丸にして固まる彼女を眺める。

あ、こういう顔もするんだ。

他にはどんな顔があるんだろう。

「ドヨニヒョン」

「ん？」

メイクさんと俺だけだったフワフワの脳内に低い声が飛び込んでくる。

前を見るとジェヒョンが目配せをしてくる。

「なんだよ、言葉で言えよ」

「…はあ。顔でも洗ってきたら?相当酔ってるよ」

「ええ！酔ってないよ」

さっき醒めたのに、今はぼーっとするくらいなのに。

いいからと席を立ったジェヒョンが俺の腕を掴んで立たせる。

「Aさんごめんね。ヒョンかなり酔ってるから席外しますね」

「いえ！行ってらっしゃい」

立ってみたら意外と力の入らない足でジェヒョンの後ろをついていく。

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