お団子頭のメイクさん (ページ15)

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いつの間にか冷えてきた頭で必死に考えを巡らせる。

そうして状況がなんとなく見えてきた。

ひとまずまだお店の中にいて、周りは賑やかだ。

そんな中なんでオレは彼女の隣にいるんだ。

薄ら目で辺りを確認していると、視界に入る影。

反射的に目を閉じてしまった。

「ドヨンさん？」

うわ、やっぱり彼女だった！

いや、うわっなわけじゃないんだけど…なんというか。

「まだ寝てます？」

ジェヒョンだジェヒョン。

オレが席移動してきたんだっけ。

いやいや、だとしたら結構大バカ者じゃないか？

「寝てるみたいです、どうしましょうか」

「うーんいい夢見てるかも」

「いい夢？」

「うん、Aさん平気？」

頭の中が迷宮入りしている中、いつの間にか進んでいく二人の会話。

二人とも楽しそうに話してるな。

「何がですか？」

「肩、大変でしょ？」

「あー、ちょっとだけ？」

「正直ですね笑」

意識を取り戻した瞬間オレの首も痛かったから、この体勢になってしばらく経ったようだし、当たり前のように彼女は重いよな。

バレないように少しだけ体勢を変えてみる。

「Aさんさえよければ、そのままにしてあげてもいいですか？」

「あ、でも…」

「大丈夫。貸切だし、本当に親しいスタッフさんしかいないから」

「そしたら……ドヨンさんさえよければ！」

「ふふ、ヒョン絶対幸せだからそのままでいいですよ」

これはジェヒョンナイスプレーのような。

にしても何で幸せなのバレてるんだ。

「もうすぐお開きになるだろうから、あとちょっとだけお願いします」

「はい」

あーお開きにならなければいいのに。

あ、いい香り。

目を閉じているとまたぼーっとしてきた中、ふんわりと優しい香りがすることに気づく。

前にも感じたことのある匂い。

なんか、赤ちゃんみたい。

香水でも洗剤でも、シャンプーの匂いでもない。

彼女自身の匂いなのかな。

「ってアホか！」

ハッと目が覚めとび起きる。

「…ドヨン、さん？」

と同時に視界に映る、目をまん丸にした彼女。

しまった、声に出てた。というか起きてしまった。

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