呪霊祓いに来ただけだから、疑わないでもらいたい

沖矢side 2 ページ9

『お、おじゃましまーす…』

沖「はい。どうぞ」

少しおどおどした様子で入って来た神来社さん

しかし、中を見ると目をキラキラさせ、周りを興味津々に見始めた

……可愛いな



って何を考えているんだ俺

相手は組織の上の方の人間かもしれないんだぞ

でもまぁ…この人の素はこんな感じなのかもしれないな

どうにかして味方になってもらうことは出来ないんだろうか……


沖「こっちです」

そのままリビングに案内し、神来社さんを椅子に座らせる

沖「今肉じゃが持ってくるんで、ちょっと待っててくださいね」

『はい』


そう言って俺は席を立ち、キッチンの方に歩いていった


…睡眠薬でも入れて、情報を探ったほうが良いのか…？

いや、駄目だ

起きた時に睡眠薬を盛られたことに気付かれ、俺の事を組織が警戒し始めたらまずい


それ以前に睡眠薬に気付く可能性もあるしな…

とりあえず今は、無いとは思うが一般人かもしれないんだし、話をするだけにしておくか…

そんなことを考えながら、肉じゃがを皿によそい、神来社さんの元へと持っていく

沖「お待たせしました」

神来社さんを見ると、顎に手を当て何かを考えているようだったが、俺が声をかけるとパッとこっちを見て少し微笑んだ

『わぁ…おいしそ…』

神来社さんの前にコトっと肉じゃがを置くと、何故か神来社さんは何かを思い出したかのように急にサングラスを外し、肉じゃがを凝視し始めた

？？何をしているんだ…？

まさか…何か薬が入っていないかを調べているのか！！？(正解)

と言う事は薬学に精通しているということ…(不正解)

組織で医者のような事をしているのかもしれないな…

何も入れなくてよかった…


沖「？なにか…？」

『いえ！とても美味しそうだったし、室内でサングラスをするのも失礼かと思いまして』


そう言いながら神来社さんはスプーンを取り、肉じゃがを口に運ぶ

ﾊﾟｸｯ

『おいしい……』

沖「！そうですか。良かったです」


そのまま神来社さんは肉じゃがをすぐに完食してしまった

まぁ…肉じゃがを気に入ってもらえたようで良かった

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