【K】闇夜の中の少年【男主】 (ページ40)

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動き出す赤ページ40

「特異現象管理法に従い、一般人に危害を与えたストレイン、櫛名アンナを保護。
完全に危険がなくなったと判断出来るまで、隔離処置する。

これは、ストレインの管理を任とするセプター4の責務、とのことや。
向こうが下手打つのを待つつもりが、逆に大義名分を与えてしもたな」

ため息をつき草薙は連絡を受けた内容をそう話す
昨晩、アンナがいなくなったと穂波に確認して判明してそれぞれが探しに出たのは
紫城が一足早く外へ出てから少ししたことだった

そこで近くの交差点で呼吸困難になった者
さらにその近くの交差点では火の気もないに関わらず、やけどを負った人達が病院へ搬送されたらしい

アンナがそれをやったと信じられないと、運ばれた人達を見ていた鎌本は、それでもとそう言ったが
十束が自身の指先を見せた

赤い痕の残るそこ

力の漏洩
感応力の暴走

アンナ自身で見て、経験し、身の内に取り込んだあらゆるものを外へ放出させた

火傷も
呼吸困難の記憶も、確かにアンナの中にあったものなのだ

そう説明する十束に草薙も頷き
おそらくセンターで負ったものだろうと付け加える

「…草薙さん。
Aは？」

「…それも連絡があった。
紫城がアンナちゃんをなだめたお陰で、被害は最小限で済んだらしい。
ただし、その際にやけどを負い、意識を失うた紫城を治療のために搬送。

その身柄は、セプター4が管理する…らしい」

沈黙が落ちる
八田もなぜか静かで
けれど目には怒りの灯火がある

「……御槌が、本気でアンナちゃんを“石盤”に接触させようとしてたんなら
それは並大抵のことやない。アンナちゃんの力を引き出すために、手段は選ばんかったのやろ。

紫城についても、あちらさんは何を企んでいるかわからへん。
十束の“あの話”もあるしな…。

ともあれ
アンナちゃんの力が、痛みや苦痛によってより強く引き出されるんやとしたら―――」

「潰す」

放り出されるように言われた言葉
ただ
その王の一言で全員の顔が引き締まり、決意に殺気立った気合を見せるメンバー

「オーライ」

そうして吠舞羅は動き出す