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それは預言者という意 ページ34

「それで、改まって話ってなんなん?
わざわざ人払いまでして」


口を閉ざし続ける十束に草薙が痺れを切らしそう問う
昼間の件に関しては、ある程度説明はしてある

しかし、十束はこの件だけは人のいないタイミングで話したかった
だから、わざわざ人のいない時間帯まで待ち
紫城とアンナさえも1階から遠ざけたのだ


「今日、センターに対しての不信感。それについては話したよね。
Aも、きな臭いってずっと言ってるし」


「そうやな、そら聞いたわ」


「センターの責任者の御槌さん。
Aのことを知ってるみたいだった」


は?と思わず声が漏れたのは草薙だったが
周防も眉を顰め、ひとまず十束に先を促す


「最初は気づいてないみたいだった。
でも去り際に、Aの名前を聞いてきたんだ。

Aは言いたくなさそうだったけど
名前を聞いて彼、納得してたよ。


プロフェットって言ってた」


真剣な表情で
悩むように目を伏せた十束に草薙も口元へ手を当てる


「プロフェット…預言者の英訳やな。」


「塩津さんの反応見た感じ、そっちでも名前知られてそうだったから…


これは、あんまり想像したくなかったんだけどさ。
Aって、もしかして…」


ギシリと階段の軋む音に
十束は咄嗟に口を噤んだ

ひょこりと顔を出したのはアンナだった
その表情はどこか、焦っていて不安そうにも見えた


「アンナちゃん、どないした?」


「…シジョウが、苦しそう。
タタラを呼んでって、言われたの」


「…あ、もしかして暴発しそう!?」


慌てた様子で立ち上がった十束が2階へ駆けていく
それを草薙と周防、アンナはあまり近付けないようにしながら追うと

ベッドの上で身を丸めた紫城の体から
じわりと赤い炎が揺らいでいる


十束は見慣れていたのか
草薙と周防は初めて見るそれに驚き
十束が紫城の手を握るだけで和らぎ落ち着いた炎に息をついた


「大丈夫、大丈夫。
今日は力を少し使ったし、熱も出てるからコントロールができなかっただけ。

ほら、もうなんともないでしょ?
なんとかなるって」


強く、強く紫城が十束の手を握り返した
その頬を、涙が伝う

恐怖に呑まれる→←クランズマンの証明



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作者名:鍵宮 | 作成日時:2014年5月22日 15時

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