jungle ページ4
それから数日後
授業でテストが行われていた
必死に机にかじりつく連中を嘲笑うかのように
端末をイジっていた紫城
2年ほど前だっただろうか
稼働していたアプリの中で気になるものがあったのだ
その人気のサイトは
学校でも大きく取り払われた
授業中はロックされる端末だが
そうならないように出来る抜け道として利用されてもいるらしい
学校側は根本的な部分にはたどり着いてないようで
その精巧さ故か、紫城もココ最近になって興味を持ったのだ
「(これか…)」
《jungle》
グループメッセという日常生活に使うものに加え
ミッションとをこなすことでポイントが貰えるらしい
紫城は大貝と八田が出会った経緯や、これによる八田への同級生からのハブりについては詳しくは知らない
かいつまんだ程度だ
ただ、例の“飛行船”については
紫城も興味を持った
「紫城!!」
突如
大声で名前を呼ばれ
徐々に熱くなっていた紫城の感情が急激に冷えていく
喧嘩早い紫城には嫌うことがいくつかある
その中でも特に嫌うのが
楽しい時間を邪魔されること
まさに今だ
さらに言えば
紫城からの観点で、自身より無能で劣ってる教師という存在からは
余計に
「……」
無言で視線を上げ
教師を冷めた瞳で見た紫城と、そんな彼を睨みつける教師
紫城はため息をついて
素早く端末をブレザーのポケットに突っ込み立ち上がった
「帰りまーす」
「待て！
お前、いくら勉強できても内申は最低なんだぞ!?」
「内申？
そんなの俺には関係ないんだけど」
何言ってんの？と言いたげに笑みを浮かべ
鞄を持ち上げた紫城は制止の声を無視して教室を出た
jungleのミッション
少しくらいなら関わってみようかと紫城は考える
けれど、それよりも彼が惹かれたものは別にあった
―
赤の王率いるクランの名だ
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作者名：鍵宮 | 作成日時：2014年5月22日 15時
