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外出 ページ13

それから数日
落ち着いた日々を過ごしていた紫城は

その他もろもろの手続きを済ませて
草薙にお礼を言って変わらず彼のお世話になっていた


以前より彼が手伝いをするようになったことが
最近の変化であり
飲み込みの早い彼は、指示したことはすぐに覚えた


スツールに座っていた紫城は
ふと立ち上がると
端末と財布を手にパーカーを羽織った


「紫城?」


それを見た草薙が不思議そうに名前を呼べば、紫城はひらりと手を振って出入口へ向かう


「引きこもりは卒業ってことで、ちょっと出かけてきます。
夕方までには帰りますね」


「なら折角や、ゆっくりと回ってき。

ただし
くれぐれもトラブルだけは持ち帰ってきいひんでな。
ほんま、処理するのがどれだけ大変か…」


ため息をつく草薙に
紫城も苦笑するしかない

まあそこまで大きなトラブルはないが
紫城も喧嘩しやすい為に、気をつける必要がある
今はそれも、だいぶ落ち着いているが


「わかってます。
じゃあ、行ってきます」


「気ィつけてな」



いってきます
そんな当たり前の挨拶をするようになったのは、草薙が言い聞かせたからだ

抵抗のあったそれも
今ではすんなりと言えるほどには、紫城も溶け込めているのだろう


「(街に出るついでに、バイト探さないとなぁ…
中卒で未成年ができる仕事ってあんのかな)」


ふらりふらりと街を歩きながら
アルバイト募集の張り紙を見たり
欲しい服を見つけたり

思ったよりも満喫した時間を過ごしていた紫城は
そう言えばお腹がすいたなと、空腹を訴えるお腹を撫でた


「A?」


「ん〜?あ、鎌本だ」


「1人で出かけてんのは初めてか?」


「だね、手続きとか草薙さんか十束について来てもらってたし」


鎌本と遭遇した紫城は
別に1人で出かけたことがないわけではないと文句を付け加えつつ、彼が抱えているたい焼きの袋を見つめる


「美味しそうなの食べてんね」


「食うか?」


「ほんと?お腹すいてたんだ〜、俺たい焼きって食べるの初めて」


甘いものが好きな割にあんこは嫌い、とカスタード入りのものをもらった紫城は
そう言いながら1口、齧り付いた

力の使い方→←心は痛いと泣いていた



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作者名:鍵宮 | 作成日時:2014年5月22日 15時

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