【K】闇夜の中の少年【男主】 (ページ2)

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退屈なページ2

指定の制服を着込み
長い髪を揺らしながら、端末を操作しながら歩いている少年は
ふと窓の外を見て、1つため息をついた

「(暇すぎ。
学校なんて来なくていいなら来ないし

そもそも
受験だなんだで雰囲気も悪いし

行けるところまで
せいぜい足掻いて頑張りな、と)」

周りを見下し
ふっとほくそ笑んだ彼

紫城A

本来ならば
受験生である彼が全く緊張感がないのは
彼が高校へ進学するつもりがないからだ

「(アイツ風に言うなら――――)」

「ムカつきますね、その顔。

まあ、所詮はお前も負け組です」

タイミングいいなと
紫城は視線を前へ向けた

2つに髪を結った小柄な少女

そもそも

負け組も勝ち組も

勝手にそこらの奴が決めたことだろ

くだらない、と笑い彼は壁に寄りかかり端末に目線を移した

「俺が負け組なら、お前は何なの？」

「中卒する気のお前とは違って、勝ち組に決まってるじゃないですか」

「冗談言うなよ、俺より劣ってるお前が勝ち組？

それとも何？高校に行く奴はみーんな、勝ち組なわけ？

なら、お前もそこらの奴らと同じだな、阿耶」

見下したように笑った紫城に

彼女はグッと奥歯を噛み締めた

―大貝阿耶―

何かと成績に関して紫城に絡んでくることが多く

何の縁か3年間同じクラスだ

頭はそれなりにいいと紫城も記憶しているが
それでも自分よりも劣る彼女を面白半分で揶揄るのはいつものことだ
今回もまた然り

「せ、世間一般的な話です！

それより、全国模試の順位は見たんですか？」

「あー、忘れてた。

…ん？」

「あれ？大貝と…誰だ？」

そんな模試を受けさせられたなと、順位のことなんてすっかり頭から抜け落ちていた紫城の視界に

2つ影が入った

声をかけてきたのは
活発というか、いかにも猪突猛進といった雰囲気の少年だ
確か、名前は八田美咲と言ったかとよく通る声で仲間とつるんでいた彼の名前を思い出す

しかしもう1人はパッと名前が出てこない

黒縁メガネに黒い髪
少し丸まった猫背の長身

どこか

阿耶と似ている気がすると、紫城はぼんやりと思った