#32 ページ34
#32素敵
『あの、桜井くん』
一嘉「副会長さん？」
『どうも、あのこれ桜井くんのだよね』
空き教室で桜井一嘉を見つけ、隣の席に座って財布を差し出す。
桜井一嘉はすこし戸惑ったような顔をした
一嘉「いや…えっと…」
『……あ、花ちゃんのじゃないって聞いて……もしかして違ったかな？』
一嘉「いえ、自分のです」
『そっか、良かったお財布届けられて！』
桜井一嘉はお礼を言いながら財布を受け取ると、まだ何か言いたそうな顔をしていたので気になって聞いてみる
『どうしたの？』
一嘉「引きましたよね…」
『え!?お、お金なんて盗んでないよ！！』
何を言われるかと思ったら「(お金)引きましたよね」って……！
そんな非常識なことするような奴に見えるんだろうか
大分ショックで声が裏返ってしまった。
一嘉「ち、違います！その、ピンクのお花柄使ってるのが………」
『え………うん、それがどうしたの？』
一嘉「引かないんですか？」
どうやら桜井一嘉は自分がピンクのお花柄の財布を使ってるのが引かれると思っていたらしい。
だがそんなわけがない。
『引くわけないですよ、むしろ自分の好きなものを使うって素敵ですよ』
一嘉「素敵？」
『うん。流行ってるからこれにしよう、とか皆これ好きなんだよな、とかそういうことで決めるのがもちろん悪いことではないよ。
でも、自分の好きなものを持っているのって素敵なことだと思うの』
一嘉「そう………なんですかね」
『それに、センス良いじゃないですかこのお財布。
とっても可愛い！』
一嘉「………花の言ってたこと分かったかも」
『え？』
だらだらと思っていることを喋ってしまったと後悔している時、桜井一嘉はボソッとなにか呟いた。
一嘉「先輩、ありがとうございました」
『いえ、拾っただけですから』
一嘉「そうじゃなくて、色々…」
『……うん、どういたしまして』
ニコッと可愛らしい笑顔を私に見せると空き教室から去っていく桜井一嘉。
私は初めて花ちゃん以外の後輩とお話出来たかもしれない。
嬉しくて飛馬に報告しようと思ったが、すぐに昨日のことを思い出してやめた。
前とは少し違う気まづい雰囲気で『聞いて〜！今日後輩と話出来たんだよ！』なんて言ったら困らせるだけだ。
やめよう
私はそんなくだらないことを考えながら自分の教室へと戻った。
続く (更新停止中)
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來夢華 - レッツゴーザ･ハイスクールヒーローズ (5月22日 17時) (
レス) id: 748fa13fe5 (このIDを非表示/違反報告)
ひだこ - 続き楽しみーーーーーーーーーーーーーー！ (5月21日 11時) (レス) @page34 id: 748fa13fe5 (このIDを非表示/違反報告)
傘を忘れた猫さん(プロフ) - ちょすさん» ありがとうございます！少しずつですが更新頑張ります！！ (2021年9月16日 20時) (レス) id: eb8d661443 (このIDを非表示/違反報告)
ちょす(プロフ) - おもしろかったです！更新楽しみにしています！ (2021年9月16日 14時) (レス) id: 11629eb6b3 (このIDを非表示/違反報告)
傘を忘れた猫さん(プロフ) - さらさん» コメントありがとうございます！こちらこそこの小説を読んでいただきありがとうございます！！3人とも魅力的なキャラですよね！お気遣い頂きありがとうございます！更新頑張ります！！ (2021年8月30日 0時) (レス) id: eb8d661443 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：傘を忘れた猫さん | 作成日時：2021年8月29日 13時
